宇宙飛行士・油井さんの肉声 手作りアンテナで受信


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 【西原】手作りのアンテナで宇宙飛行士の声が聞けるらしい。しかも予算500円で―。学童みらいクラブ(宮城トモ子代表)の指導員、比嘉和貴さん(28)が趣味の無線で仲間から情報を仕入れ、多良間康平君(西原小4年)と仲尾和真君(同)らと一緒に、角材と針金でアンテナを作った。

ISSを見上げる親子らとアンテナを向ける比嘉さんたち=4日、西原町役場駐車場

 2日には学童で、4日には西原町役場の駐車場で「500円の手作りアンテナを宇宙に向けて、宇宙飛行士さんの声を聞いてみよう」と自主企画。
 国際宇宙ステーション(ISS)スクールコンタクトで、県外の小学校がISSと交信をするイベントがあり、これには大規模な設備が必要だが、宇宙飛行士の声を受信するだけなら小中学生に限り無線の免許も要らず、安価なことも魅力だ。
 会場には、児童や保護者が70人ほど集まり、午後6時30分前、首里方面の夜空から黄色く動く光を発見すると、指をさして「動いているよー」と歓声が上がり、アンテナの先を向けて受信に成功。雑音の中から「オーロラは宇宙からも見えますよ」「いま、日本に向かって飛んでいます」と、400キロ上空のISSにいる油井亀美也さんの声が聞こえた。
 「アンテナは、ドリルで穴を開けたりして3日ぐらいかかった。宇宙飛行士の声が聞こえるかもと思いながら作った」と仲尾君。「一生に一度の宇宙飛行士の声かもしれない。うれしかった」とやや興奮気味の多良間君。参加したみんなが宇宙を身近に感じたひとときだった。
(小波津昭子通信員)