興南(男子)浦添(女子)V 県高校ハンドボール


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 ハンドボールの第32回琉球新報旗争奪・九州高校選抜大会県予選決勝が23日、八重瀬町東風平運動公園体育館で行われ、男子は興南が32―19でコザを破って2年ぶり27回目の頂点に立った。女子は浦添が30―21でコザを下し、2年ぶり6回目の優勝を果たした。男子の興南、女子の浦添、男女コザの4チームは、2月に長崎県で行われる第44回九州高校選抜大会・第39回全国高校選抜大会九州地区予選大会に出場する。

興南/初の守備陣形奏功
 対コザ戦、ここ2試合をいずれも2点差の辛勝でしのいできた男子の興南が、王者らしいプレーで因縁対決を制した。188センチの田中周と180センチの寺島健太の長身2枚が中央にそびえ、新チームでは公式戦で初めて採用したという横一線の守備陣形が奏功した。「しっかり練習してきたので、前でしっかり相手に当たれてチャージングも取れた」(田中)。堅守からの速攻ががっちりかみ合い、13点差の大勝をもぎとった。
 中央から相手守備を突破するカットイン、ロングや左右からのシュートと、逆速攻からは多様な攻めが生まれた。センター平仲航主将を起点に、垣花涼と渡慶次洸也が両サイド45度からを中心に、猛打賞となる8点ずつの16得点を稼ぎに稼いだ。垣花は「自分たちらしいプレーができた。渡慶次に負けたくない気持ちもあった」と照れ笑いした。
 一気に点差を離して全員出場しようと、後半残り10分でメンバーを総入れ替えした。司令塔の役割を無事果たした平仲は「出だしが厳しいと分かっていたが、焦らずにできた。一線ディフェンスが機能し、両翼もしっかりやってくれた。控えメンバーも全員出ることができた」と喜ぶ。この勝利を糧に臨む2月の九週選抜では、全国切符だけでなく優勝も取りに行く。
(石井恭子)

男子決勝 コザ―興南 ブロックする興南の寺島健太(左から2人目)、田中周(右奥)=23日、八重瀬町東風平運動公園体育館(諸見里真利撮影)
女子決勝 コザ―浦添 鋭いシュートを決める浦添の与那嶺麻美加(手前)

浦添/完勝 立て直し後半加速
 前半に脚が止まり、競り合いに苦しんだ女子の浦添は後半、ギアを入れ直した守備からの速攻が機能し、コザを突き放した。前半に硬さから簡単なパスキャッチミスなどが相次ぎ、逆速攻を取られる泥沼にはまる。1点差で折り返したハーフタイム、「セットではやられていない。シュートまで行けば絶対入る」(濱里季楽主将)と気持ちを入れ替え、立て直した後半で完勝した。
 攻撃は1年のセンターで司令塔の東江華奈を起点に、両サイドの濱里と与那嶺麻美加が決め、左45度の新里陽月も強烈に守備に割り込んだ。スタメン7人のうち東江、新里、儀間鈴香と全国経験のある1年生3人がそろう若いチームだ。
 カットインやクイックシュートなどの得意球を決めた東江は「前半の反省を意識してその通りにプレーできた。九州選抜は1回戦を大事に勝ちたい」と意欲を燃やし、チーム一丸で優勝を目指す。
 濱里主将が「流れが悪いときの立て直しが課題」と話す通り、難局での早めの切り替えが、今後も勝ち残る鍵となる。