田子(男子)嶺井(女子)が初優勝 NAGOハーフマラソン


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 第57回NAGOハーフマラソン(主催・同実行委員会、共催・名護市、市教育委員会、琉球新報社、沖縄陸上競技協会、NPO法人市体育協会)が24日、名護市陸上競技場を発着点に行われ、ハーフ(21・0975キロ)、10キロ、3キロに過去最高の計3463人が参加した。ハーフは30~34歳の部の田子康宏(鳥取)が1着でゴールし、初出場で初優勝を飾った。2着は一般の部の与那嶺恭兵(浦添)、3着は照屋友貴(糸満)だった。3人は途中でコースを間違えるアクシデントがあったため、タイムは参考記録になった。ハーフ女子は嶺井蓮乃(千葉)が1時間24分15秒で初優勝した。10キロ一般男子は大西毅彦(京都)、同高校男子は大城直也(糸満)、同一般女子は長山夢芽(名護)が頂点に立った。3キロ一般男子は長堂拓未(うるま)、同女子は仲愛琳(北谷)が優勝した。2794人がエントリーしたハーフの完走率は74・12%だった。

男子ハーフマラソン 1着でゴールテープを切る田子康宏=24日、名護市陸上競技場(屋嘉部長将撮影)

◆トラック勝負制す/田子
 実業団の中国電力で鳴らした田子康宏(鳥取)と3連覇を狙う与那嶺恭兵(浦添)、実力者2人が並んで競技場に姿を現した。ハーフマラソンはラスト400メートルのトラック勝負にもつれ込んだ。
 競技場の入り口で田子が前へ出た。18キロ付近から両脚はけいれんしていた。「トラック勝負で(与那嶺に)前に出られるときつい」。前方の相手に追い付き、抜き返すだけの余力は残っていない。冷静に自身の状態を見極め、勝負に出た。
 2008年の日本選手権1500メートルで2位になるなど中距離で実績を挙げた田子。3年前に現役を引退してもトラックでの切れ味は健在だった。残り200メートルでさらにギアを上げ、追いすがる与那嶺を振り切りフィニッシュテープを切った。「何とか最後まで脚がもってくれた」と笑顔を見せた。
 レースでは田子、与那嶺ら先頭集団がコースを間違え、車で順路を戻って後続集団に合流するアクシデントもあった。それでも慌てることなく再び抜け出すと、与那嶺の揺さぶりにも付いていった。
 現在32歳。午前4時に起きて1時間走り、仮眠を取ってから仕事に出掛ける生活を続ける。「沖縄が好き。また沖縄の大会に出たい」と意欲を燃やした。(荒井良平)

◆地元のレースで勇姿披露/嶺井
 女子ハーフマラソンは嶺井蓮乃(城西国際大4年)が2度目の出場で初の頂点に立った。名護市羽地出身。スタート、ゴール地点となった名護市陸上競技場は名護高校時代も練習を繰り返した。コース沿道では知り合いの姿もあり、多くの声援を受け、トップの位置を守り続けた。
 「地元の大会で結果を残すことができた。指導を受けた方々によい姿を見せることができた。うれしい」。ゴール後はほっとした様子で、市陸上競技関係者の祝福に笑顔でこたえた。
 この日は順位にはこだわらなかった。1キロ4分のペースを意識し、イメージ通りの走りを最後まで維持した。「目標通りのレースができた」と振り返った。
 17日、京都で開催された全国都道府県対抗女子駅伝では県代表メンバーに入ったが、今春の卒業を機に陸上競技選手としては退く予定だ。2月の沖縄一周市郡対抗駅伝が自身最後の晴れ舞台になるという。「速い選手がいっぱいいる。しっかり結果を残せるように調整していきたい」と意欲を示した。

女子ハーフマラソンを制し、笑顔を見せる嶺井蓮乃