【国頭】国頭村与那(大城靖区長)の伝統行事、ウンジャミ(海神祭)が2日に区内であり、住民らが五穀豊穣(ほうじょう)、無病息災を願った。旧盆明けの亥(い)の日に毎年行われ、国選択無形民俗文化財になっている。
神人の2人がヌンドゥンチ(祝殿内)で待機し、準備を整えた午後4時頃、合図の太鼓に導かれてアサギマーへ着いた。神人による祈願が行われ、大城区長や各門中の代表者から盃(さかずき)と祝儀を受けた。
儀礼は、与那区東側にある祈りをする場「ウンコイの間(ま)」にで、東の山に向かって祈願し、神様を迎える。砂が敷かれた場所を弓で砂を突きながら「ウンコイ、ウンコイ(寝ている神様を起こす)」と三度唱えながら、左に7度回る。
アサギマーに戻ると「船漕ぎ」「猪狩り」「魚獲り」の儀礼が行われる。シブイ(冬瓜)で作られた「猪」を弓で射止める役は、宮城守さん(61)が務めた。船漕ぎには宮城忠信さん(63)、大城迅さん(辺土名小5年)、魚獲りには区の小学生の子どもたちがそれぞれの役をこなした。
アサギマーでの儀礼が終わり、大城区長の合図の太鼓を先頭に、神人、仕留めたイノシシを担いだ子どもたち、参加者の順番で行列を整え与那海浜「ナガシ」の儀礼へ向かった。途中、スージ(路地)がある場所で立ち止まり、太鼓持ちの「ミチヌマガイマガイ ムヌユウミシミティ ウスーヨーウガミンソーリ」のかけ声に、参加者は「ヨーサレー」と応え、「神様が通る合図」を浜辺に着くまでに9カ所のスージで行った。
浜辺では、東シナ海西の海に向かって祈願し、神様に供えるイノシシを担いできた大城迅さんと善さん(辺土名小2年)の兄弟によって海に流されて、行事を締めくくった。迅さんと善さんは、大役をやり終えて安堵した。子どもたちは、与那の伝統文化を学ぶいい機会となった。
(新城高仁通信員)