辺野古抗告訴訟、県が期日指定を再要求 異例の45日経過


この記事を書いた人 田盛 良一

 翁長雄志知事の辺野古埋め立て承認取り消しに対する国土交通相の執行停止決定は違法だとして県が那覇地裁に提起した抗告訴訟で、県は8日までに、第1回口頭弁論の期日を早急に指定するよう求める上申書を那覇地裁に提出した。提出は5日付。抗告訴訟などの行政事件訴訟は原則として、提訴から30日以内に第1回口頭弁論を開くことが求められている。今回の抗告訴訟では2015年12月25日の提起以来、16年2月8日現在で45日間が経過している。那覇地裁が30日を超えても期日を指定しない異例の事態となっている。

 県は1月28日にも同様に早期の期日指定を求める上申書を那覇地裁に提出していた。28日付上申書で「いったん海面が埋め立てられると、海域や周辺の自然環境は重大な改変を受ける。後に埋め立て事業が中止されたとしても、環境の原状回復は事実上困難だ。事業実施区域の自然環境の損失は地域にとって極めて重大な損失だ」として迅速な審理開始を求めている。
 県の提訴後、国は1月18日、東京地裁での審理を求める移送申し立て文書を那覇地裁に提出し、県は同22日、国の申し立てを却下するよう求める文書を提出した。行政事件訴訟法などで移送判断の期限は設けられておらず、那覇地裁は東京地裁に移送するかを決めていない。県側は「移送申し立ては期日の指定とは無関係だ」と指摘し、早期指定を求めている。
 提訴から45日経過して弁論期日を指定していないことについて、那覇地裁は8日、琉球新報の取材に対して「裁判官の訴訟指揮に関わることなので答えられない」としている。