基地問題 県外で発信 フリー報道写真家 板谷さん


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ゲート前で取材するフリーフォトジャーナリストの板谷めぐみさん=10日、名護市辺野古

 【辺野古問題取材班】沖縄戦をはじめ、戦争体験者を中心に聞き取り、写真撮影を続けているフリーフォトジャーナリストの板谷めぐみさん(28)が12日から、名護市辺野古沖を埋め立てるための土砂を搬出する県外地域などを回り、講演活動を始めた。ゲート前や辺野古地域で1年続けてきた取材を踏まえ「基地の問題は全国で考えるべきことだと本土でも伝えたい」と意気込む。

 板谷さんは2014年に救命救急の看護師から転身し、昨年9月に亡くなった報道写真家の福島菊次郎さんに弟子入り。「命のつながり」をテーマに、沖縄戦体験者や元特攻隊員の聞き取り、スリランカで内戦後の兵士、ネーティブアメリカンの取材など国内外を駆け回った。昨年8月には沖縄戦体験者などの写真と聞き取りをライン(無料通信アプリ)風に展示した写真展を開いた。
 板谷さんは「沖縄では住民を巻き込んだ地上戦の教訓を忘れずに生かして行動していて尊敬する。本土では原発や安保の問題が可視化されにくいが、沖縄では伝えやすい状況をつくっている。本土が学ぶべきところだ」と話した。
 12日は福岡県糸島市と北九州市門司区で講演した。(田吹遥子)