台風や災害時などの停電時に電源を確保する方法として太陽光発電と蓄電池が注目されていると聞きました。8月の台風でも太陽光発電と蓄電池を設置していた家は停電知らずだったそうです。実際はどうなのでしょう。調査員が調べてきました。
8月初旬に発生した台風6号は記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。長時間の停電に加え、断水を経験した人も多くいましたよね。調査員も当たり前に使っていた電気や水のありがたさを改めて実感しました。本当に太陽光発電と蓄電池が停電時に役立つのか調査開始です。

電気代の節約にも
訪ねたのは太陽光発電設備や蓄電池などを販売する「アトムホーム」。CEO(最高経営責任者)の宮平克哉さんが快く質問に答えてくれました。

「停電すると、まずエアコンが使えない、冷蔵庫の食材が傷む、スマートフォンなどの充電ができないといった影響がでます。でも、極論から言うと太陽光発電と蓄電池を入れれば停電しなくなります」と話します。
宮平さんが停電対策としておすすめするのは太陽光発電と蓄電池の併用。「昼間は太陽光発電の余剰電力を蓄電池にためて、夜間にその電力を使うというイメージです」と説明してくれました。太陽が沈む夜は太陽光発電ができません。そこで電気を蓄積する蓄電池を導入することで停電の備えになるといいます。なるほど、太陽光発電と蓄電池を組み合わせれば、電力は自給できるということですね。
また、このセット使いは非常用電源としてだけではなく、電気代の節約にもつながるそう。太陽光発電のみの場合、発電ができない夜間は電力会社から電力を買って使う必要があります。でも「蓄電池を入れれば夜の電気料金も限りなくゼロになります」と宮平さん。

がぜん前のめりになってきた調査員。電気料金は上がり続けている中、政府による補助金が終了すればまたさらに上がることが予想されるのでこれは助かるはず。5人家族を想定した場合、蓄電池を入れることによって月に約1万5000円の電気代削減が可能だといいます。この場合、蓄電池代の初期費用も15年ほどで元が取れる計算です。
同社がおすすめしているモデル(12.8キロワットの大容量)は、5人程度の家族であれば蓄電池だけで夜間も問題なく普段通りに電化製品を使えるといいます。
災害時の命の危機を救う
余った電気を売ることもできますが、蓄電池を使って電気を自給自足する方がお得とのこと。再生可能エネルギーの「固定価格買い取り制度(FIT)」をきっかけに太陽光発電を設置した人も多くいますが、この制度は10年で満了。1キロワット時当たり40円台だった買い取り価格は満了後には10円以下と大幅に下落します。FIT価格も年々減少していて、自家消費ができる蓄電池はその点からも注目されているようです。「電気代を払う代わりに蓄電池にたまった電力を使えば良いという理屈です」と話します。
宮平さんが強調していたのは「元を取るとかというよりも命に関わること」。夏場の停電時の熱中症対策にもなる蓄電池は、災害時に命を助けてくれるものと語ります。
太陽光発電と蓄電池の併用により、災害時の停電対策になるだけでなく、省エネにもなることを学んだ調査員。蓄電池はさまざまなプランがあるそうなので、電気の自家消費に興味のある人は専門の業者に相談してみては。
アトムホーム
宜野湾市真志喜1-1-3-104
TEL 098-988-1064
https://www.atom-home.co.jp/
(2023年9月28日 週刊レキオ掲載)

