台湾で中秋節の時期に欠かせない定番フルーツ「文旦」約3トンが29日、沖縄に到着した。産地として知られる台湾東部の花蓮県で収穫された。分厚い皮やほどよい甘みと酸味、果肉のつぶつぶした食感が特徴。関係者は「沖縄初上陸」としてPRし、今後は九州など各地への販路拡大も見据える。
30日から中華料理の「東洋飯店」や八重瀬町の「南の駅やえせ」で販売される。
県内で飲食事業を展開する一番(糸満市)が、台湾農産物の日本への輸出に力を入れている台農発(台北市)を通じて仕入れた。常温で保存でき、皮が薄緑色から黄緑色に変化してしわが出てくると食べ頃になる。
那覇市内で29日にあった試食会で、生産者を代表して花蓮県の瑞穂郷農会の黄盛皇総幹事は「秋の味を楽しんでほしい」と話した。台湾出身の一番の呉啓源社長は「沖縄を拠点に、九州などへ広げていきたい」と期待を込めた。 (當山幸都)