コザ(男子)浦添商(女子)V 県春季高校ハンド


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 ハンドボールの第6回KBC学園杯争奪・第40回県高校春季選手権大会は最終日の21日、八重瀬町東風平運動公園体育館で男女決勝までを行い、男子は延長戦の末、コザが30―28で那覇西に競り勝って優勝を決めた。女子は浦添商が25―23でコザを破って頂点に立った。

◆コザ/劣勢から猛追 延長制す
 コザが劣勢からの猛追で栄冠を手にした。後半終了間際、宇榮原銀河主将が執念の同点弾をたたき込み、決着は10分間の延長戦へ。延長戦は互いに点を奪い合うシーソーゲームになったが、GKの稲福晴気がファインセーブを連発し、チームを勢い付けた。堅守からの速攻で最後は点差を引き離した。
 後半15分までに最大7点差をつけられる展開だった。宇榮原主将は試合中、2月の九州大会のことが頭をよぎったという。「同じように点差をつけられた試合で惨敗し、全国行きの切符を逃した。その悔しさをチーム全員に言い聞かせ、気持ちを一つにした」と語る。
 コザはここから底力を発揮し、4連続得点などで粘りの追い上げを見せた。那覇西に傾きかけた主導権を引き寄せる役割を果たしたのが西田智哉。サイド攻撃から得点し、ここぞの場面で試合の流れを変えた。我如古崇太は速攻から得意のシュートを繰り出し、4得点で勝利に貢献した。
 神里太監督は「延長戦でも足が止まらず、走れていた」とチームの成長を評価し、「守りに磨きをかけ、夏のインターハイで打倒興南を目指す」と目標を掲げた。
(大城三太)

◆棚原と狩野がチームけん引/浦添商の速攻機能
 持ち味の速攻がうまく機能し、勝利をたぐり寄せた浦添商。昨年12月の新報旗大会で大差で破れたコザに雪辱を果たした。棚原有朱が9得点、狩野笑実が7得点し、チームを引っ張った。
 棚原は得点を量産する一方、自らにマークが集中した時にはノーマークの選手へパスを回すなど、試合を組み立てた。「選手同士が動いて入れ替わり、得点を狙うクロスの動きを意識した」(棚原)という通り、相手守備を翻弄(ほんろう)し、本領を発揮した。
 棚原の得点に刺激を受け、奮闘したのが狩野だった。中央突破からの豪快なシュートを決め、相手のパスをカットするなど守備でもチームに貢献した。
 玉城晴美監督は「相手に簡単にシュートを打たせない堅守がチームの課題」とし、「ゲームの組み立ての面で棚原はまだまだ伸びしろがある」と期待を込めた。

男子決勝 コザ―那覇西 高い位置からシュートを放つコザの宇榮原銀河=21日、八重瀬町東風平運動公園体育館
女子決勝 浦添商-コザ チーム最多の9得点を奪った浦添商の棚原有朱