1人1台のタブレット、高校では自費購入 最大5万4000円 <比べる!備える!家計から出る教育費>5プロローグ


1人1台のタブレット、高校では自費購入 最大5万4000円 <比べる!備える!家計から出る教育費>5プロローグ
この記事を書いた人 Avatar photo 熊谷 樹

 今年4月、本島南部の高校で行われた入学説明会。そこで、校納金などとともに、パソコンやタブレットなどの学習端末を個人で準備するよう説明があった。「中学校と同じように学校から貸し出されると思っていたから、え?ってなった。周りの保護者も驚いた様子だった」と話すのは、同校に長男が入学した女性(40)。中学校からの事前の説明はなく、寝耳に水だった。

 受け取った資料によると、学校推奨の端末はChromeOS端末、Windows端末2種類、iPadOS端末の4種類で、一律1万5000円の補助がある。県のECサイトでは3年間の自然・物損・盗難補償がついて、補助金を差し引いた販売価格が3万4000円~5万4000円だった。

 「先輩や友だちもiPadを選んだから」という長男の要望を入れて、最も高額のiPadの購入を決めた。できるだけ安く購入するために県のECサイト以外でも探したが、結局県のサイトで購入することにした。購入段階で出費が少ないこと、補償が手厚いこと、県のサイト以外で購入する場合に必要な補助金申請の煩雑さがないことが決め手となった。

 「高いとは思ったけど、授業で必要、周りも買っていると言われたらダメとは言えない。制服代に作業着代、教科書代、その他の校納金を合わせて20万円近く支払った。その上iPadも購入するのは正直厳しい。全額公費負担とまでは言わないが、もっと補助を増やしてほしい」とため息をつく。

 2021年度から本格的に始まった「GIGAスクール構想」。児童生徒に1人1台の学習端末を整備し、子どもの個性や習熟度に応じた最適な学びの提供を目指す取り組みだ。家計で負担する教育費について取り上げるシリーズの第5回は、自己負担となる高校での学習端末について考えた。