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波照間空港が防衛の「特定重要拠点」に浮上 指定で自衛隊利用か 地元は滑走路延長を要望も「あくまで民用」


波照間空港が防衛の「特定重要拠点」に浮上 指定で自衛隊利用か 地元は滑走路延長を要望も「あくまで民用」 波照間空港旅客ターミナルビル(2018年撮影)
この記事を書いた人 琉球新報社

 政府が安全保障上必要性が高い空港や港湾を「特定重要拠点」に指定する事業に関し、指定候補の一つに竹富町の波照間空港が上がっていることが16日までに分かった。複数の関係者が明らかにした。もともと町は民間利用の観点から滑走路延長を要請しており、政府はそれを踏まえて検討を進めている。

 内閣官房や国土交通省、防衛省などは10月、竹富町に政府の検討状況を説明した。

 町によると、波照間空港の滑走路は800メートルで、小型機しか発着できない。町はより多くの人が行き来できるように、中型機の発着が可能となる1200メートルへの延長を求めている。ただ、自衛隊の訓練受け入れなどは想定していないという。

 町担当者は「住民や観光客が利用するための『足』として利便性向上や地域活性化を目的に要請してきた」と話した。国が自衛隊の利用を想定していることについて「そういう問題と抱き合わせてほしくない」と述べつつ、国の動きを「注視したい」と述べた。

 複数の関係者によると「特定重要拠点」の候補は県内ではほかに、那覇市の那覇空港と那覇港、宮古島市の宮古空港と平良港、石垣市の新石垣空港と石垣港、与那国町の与那国空港の既存施設に加え、同町の比川地区への新設港湾が検討されている。 

(明真南斗、照屋大哲)

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