有料

不要品の譲渡を行政が橋渡し 町内の粗大ゴミが26%削減! 県内で初めて、嘉手納町が民間リユースサイトと連携


不要品の譲渡を行政が橋渡し 町内の粗大ゴミが26%削減! 県内で初めて、嘉手納町が民間リユースサイトと連携 町民から回収・代理出品の依頼があった不要品を紹介する、町産業環境課の山城久幸係長=11月14日、嘉手納町役場
この記事を書いた人 琉球新報社

 【嘉手納】家庭から出る不要品のリユース(再利用)を推進し、粗大ごみの量を減らそうと、嘉手納町は県内で民間企業と連携し、町内で資源を循環させる仕組みづくりに取り組んでいる。同様の取り組みは県内初。町では近年著しく粗大ごみの量が増えていたが、取り組みを2021年9月に開始してから、21、22年度は粗大ごみが減少した。これまでの町による不要品の代理出品では、99・9%の譲渡に成功している。

 21年9月に個人間で不要品を譲渡・売却できる掲示板サイト運営する「ジモティー」(東京都)と、今年11月に不要品買い取りサイト「おいくら」を運営する「マーケットエンタープライズ」(同)とそれぞれ、町は県内で初めてとなる協定を結んだ。町がジモティーと連携を開始し、21年度の粗大ごみは前年度と比べて約26・6%減少した。

 協定を機に、町は町民にリユースサイトの活用を呼びかけている。同時に役場による不要品の代理出品も始めた。インターネットが苦手な高齢者にも活用を促し、役場が率先して行うことで町民に興味を持ってもらうためだ。今年8月までにベッドや学習机など約750品を代理出品し、このうち99・9%の不要品の譲渡に成功した。

 町産業環境課の山城久幸係長は「DIYで再利用する人もいる。古くてもらい手が見つからないと思ってもどこかにほしい人がいる。譲渡の回転率も早い」と説明する。10月までは無料で譲渡していたが、11月以降に依頼があったものは相場半額程度で売却する。売上金は町の歳入に充てる。

嘉手納町が運営するジモティーのページ。ソファやベッドなど、これまで約750点を出品した

 一方、代理出品に当たって不要品の運搬などが職員の負担増となり、課題となった。そこで11月から不要品査定サイト「おいくら」と連携を開始した。町民個人が同サイトで不要品の査定を依頼し、町民とマッチした業者が不要品を自宅などの保管場所までに取りに来る仕組みも導入した。業者が運び出しをするため、役場や町民の負担が減った。

 町が想定する目標は将来的に町民自らがリユースサイトを活用することだが、ネットに不慣れな人のために代理出品を続ける。山城係長は「持続可能な取り組みでなければならない。役場も町民も共同で取り組みを続けたい」と話した。

(石井恵理菜)