クジラ壁画 新入生歓迎 北谷高校入学式


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 【北谷】温かな光を放つステンドグラス風のクジラの壁画が、緊張の面持ちで体育館に入場する新入生を優しく見詰める-。北谷町桑江の北谷高校で7日に開かれた入学式で、同校美術部員らを中心に制作した壁画が、新入生たちを出迎えた。

 壁画は美術部員9人を中心に約180人の生徒が関わり、2015年度の卒業式に向けてことし1月から2カ月間かけて制作された。より良い作品にするため、カラーフィルムでかたどったデザインに合わせて、クジラが潮を噴き出すようにイラストが動く仕組みを取り入れた。
 デザインには美術部員と教職員らによる2度の選考会を経て、喜屋武詩織さん(16)の作品が選ばれた。喜屋武さんは「クジラは社会や世界を表し、周囲のイルカやカメは生徒を表している。社会という大海を、仲間と力を合わせて乗り越えていってほしいという思いを込めた」と話した。
 ことし8月に引退する美術部の天久杏樹部長(17)は「作品を披露したとき、生徒から歓声が上がり、美術部の先輩が涙を流して喜んでくれた。後輩にも新しいことに挑戦し、より良い作品を作ってもらいたい」と期待を込めた。

優しくほほ笑むクジラの壁画と美術部の生徒ら=7日、北谷町桑江の北谷高校体育館