FC琉球、首位奪う サッカーJ3第4節


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今季初得点で先制ゴールを決める富所悠=10日、県総合運動公園陸上競技場(花城太撮影)

 サッカー明治安田J3のFC琉球は10日、県総合運動公園陸上競技場で大分トリニータと第4節を戦い、1―0で勝利した。前半32分、琉球のMF富所悠が今季初得点で先制した1点を守り切った。琉球は昨季までJ2だった首位の大分を下して3勝1敗、勝ち点9。順位は3位から単独首位に上がった。
 次節は17日午後1時から、グルージャ盛岡と岩手県の盛岡南公園球技場で対戦する。(観客1424人)

(1)沖縄県
琉球 3勝1敗(9)
1―0(1―0,0―0)
大分 3勝1敗(9)
▽得点者【琉】富所(1)
▽観衆 1424人

 【評】富所の1点を守り切った琉球が勝利を収めた。前半、細かなパスをつないで保持率を高め、琉球らしい攻めのプレーが光った。同32分、レオナルドと富樫が生み出した好機をしっかり捉え先制。後半、大分が前に出る場面が増えたが、大分の千明のレッドカードで流れを断ち切る。その後も富樫やレオナルドらのシュートで攻めを貫いた。終了間際、大分の猛攻を守備が踏ん張りしのいだ。(崎原有希)

小さな山制した
 金鍾成監督の話 ホームで勝ち試合を見せたかった。3勝している大分との試合は4節目だが一つの小さな山だ。ここで落とすことと勝つことでは全然違うと選手に話して練習していた。J2昇格筆頭といわれる相手に自分たちのサッカーをぶつけてやろうとゲームした。内容的にはやられた部分と新たな課題に取り組んでいく部分が出た。

全体的に重かった
 片野坂知宏監督(大分)の話 前半仕掛けたかったが全体的に重く、うまく自分たちのプレーができなかった。

攻撃貫き、接戦勝ち切る/富所が決勝点
 「小さな山」と位置づけた大事なホーム戦。試合開始から細かいパスをつなぎ、琉球らしい攻めのサッカーを繰り広げ、シュート数は琉球が14に対し大分が4と圧倒。“攻めが最大の防御”を実践し、1点を守り切って接戦を制した。
 前半32分、中央のMF田中恵太からFW富樫佑太、FWレオナルドへとつないだボールを逃さず、MF富所悠が今季初得点で先制。「レオがうまく落としてくれ、打つだけのゴール」としつつも、好機をしっかり捉えた連携プレーでゴールネットを揺らした。
 後半に入り、大分が前に出る場面が増えた。琉球は前々節のFC東京U23戦は終盤に2失点を喫し、前節のセレッソ大阪U23戦は先制点を守りきれず、後半に逆転を許した。悪いイメージがよぎる。流れが変わったのは後半14分。大分のMF千明聖典がレッドカードで退場し、大分は10人になった。スペースが生まれ、琉球らしい細かいパス回しが戻ってきた。
 大分は終了間際、キーパーも攻撃に加わり猛攻を仕掛けたが、GK朴一圭が「しっかりと前に出て攻撃の芽を摘んだ」。DF滝澤修平の守備も光り、琉球が1点を守り切った。
 試合後に「足りなかった部分は何だろう」と選手に語りかけた金鍾成監督。単独首位でも満足せず、常に挑戦者の姿勢で次節に臨む。(崎原有希)