【石垣】石垣市立白保中学校(宮良篤校長)の3年生が英検で次々に好成績を残した。1学年1クラスしかなく、わずか19人の中から、櫻井亜紅(あこう)さん(15)が1級、松田愛子さん(14)、三宅幸(さち)さん(15)が2級に合格した。3人とも来年4月からはそれぞれの進学先で新たな道を歩み出す。白保から世界へ-。3人は好きな英語を生かし、海外での活躍を夢見ている。
3人とも保護者の仕事などの事情でフィリピンで育った時期があり、英語に触れてきた。三宅さんは今年2月に転校して来たばかり。1年足らずであっという間に日本語も習得した。
大学上級程度で難関の1級に合格した櫻井さんは、2度の不合格の後、今年1月に3度目の正直で見事合格を果たした。松田さんと三宅さんも独自で勉強を重ねて11月、高校卒業程度の英語力が求められる2級の合格をつかみ取った。
白保中3年生は他に2人の凖2級合格者もいる。日本英語検定協会は「英語教育に多大な成果を上げた」として白保中に「奨励賞」を贈った。
3人は級友をはじめ白保地域に感謝の思いを抱いている。「自分たちを家族のように受け入れてくれた」。獅子舞や豊年祭など地域行事が盛んな白保にいつか「貢献したい」との思いも芽生えている。
櫻井さんは本島の高校への進学が決まった。将来は「教育を受けられない子どもたちが教育を受けられるようにしたい」と考えている。松田さんと三宅さんは県外の高校を目指している。将来について松田さんは動物が好きなため「海外で動物関係の仕事か起業」することを目指している。三宅さんは「保育士と歌手と俳優の全てになる」ことを見据えている。3人はこれからも世界を視野に、好きな英語を磨き続ける。
(照屋大哲)