大阪府東大阪市の花園ラグビー場で28日に開かれた第103回全国高校ラグビー大会第2日で、2年連続21度目の出場となる沖縄代表の名護は、3大会ぶり3度目の出場の松韻学園福島を46―14で下した。名護の初戦勝利は昨年の2022年大会から2年連続となり、花園での同校の通算成績を11勝20敗とした。
初出場の高川学園(山口)、前回ベスト4の京都成章、川越東(埼玉)、鹿児島実なども2回戦に進んだ。
30日は2回戦が行われ、名護は城東(徳島)と16強入りを懸けて争う。2連覇を狙う東福岡や、今春の選抜大会王者の桐蔭学園(神奈川)などシード校も登場する。
縦横無尽に展開、パワー見せる場面も 松韻学園福島に46―14
ロングキックを中心にグラウンドを広く使った攻撃を展開し、ボールを手にすると力強い突破力でインゴールを目指す。これまで積み重ねてきた「名護のラグビー」が聖地で輝きを放った。CTB屋部樹志主将は「エリアを取って、フィジカルで戦った」と振り返る。
モールが得意な相手に対し、キックやパスでボールを動かすラグビーで応戦した。FB宮里快一は縦横無尽に駆け回り、相手守備を置き去りにして何度もトライを決めた。前半13分にモールで押し切って得点するなど、パワーで上回る場面もあった。
前半終了間際、ドライビングモールでじわじわと後退させられ、初の失点を許した。ハーフタイムに屋部主将は「自分たちのラグビーをするだけだ」とチームを落ち着かせた。後半9分、相手に追加点を許したが、チームは崩れなかった。後半12分に宮里からパスを受けたCTB前川尚泰が右サイドから走り込む。「絶対に取らないといけない」とタックルを吹き飛ばしてトライを決め、相手の流れを断った。
次戦、16強入りを懸けて戦うのは城東(徳島)。田仲祐矢監督が主将を務め、初の16強入りを果たした時の対戦相手と同じだ。相手監督もまた、当時の主将だった。17年ぶりの巡り合わせに「挑戦者のつもりで戦う」と熱意をたぎらせた。
(名波一樹)