ファイヤーウーマン、うるまに誕生


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【うるま】うるま市消防本部に初の女性消防士が4月、誕生した。うるま市喜屋武出身で、4月1日から同市の具志川消防署に配属された稲福綾さん(25)。2014~15年度まで宮崎県宮崎市の消防局で勤めた経験を生かし、地元のうるま市で即戦力として人命救助に当たる。「女性ならではの視点で傷病者のケアや救助に当たりたい」と意欲を燃やしている。

消火訓練を行う女性消防士、稲福綾さん=19日、うるま市大田のうるま市消防本部

 消防士を目指すきっかけは、母親からの「うるま市消防が、臨時職員を募集しているらしいよ」という何気ない会話だった。会話を契機に応募し、具志川消防署で臨時職員として勤務し始めた。勤務する中で、隊員らの訓練の様子や業務を間近で見ていると、自然と「消防士ってかっこいい」と憧れが募った。
 1年間の勤務後、専門学校で救急救命士の資格を取得。14年度採用の消防士を募集していた宮崎市の消防局に見事合格し、2年間消防隊として活躍した。
 県外で初めての1人暮らしを経験し、家族や友人、うるま市への郷土愛が芽生え「地元で勤務したい思いは強くなっていった」。うるま市消防で16年度採用枠があることを知り、約20倍の難関を突破した。4月からは晴れて、うるま市初の女性消防士として活躍している。
 稲福さんは「男性が多い現場で1人でも女性がいれば、女性の患者さんへのケアなどでやりやすい部分も出てくると思う」と、女性ならではの細やかな機転を生かした救助を目指す。
 稲福さんに続き、消防士を目指す女性に対し「産休や育休などの福利厚生もあり、実際に取っている先輩もいる。最初は心配だったが、そうした話を聞き、安心した」と未来の消防士の卵たちへエールを送った。