高校生失明事件、警察官の判決が確定 罰金100万円 期限までに控訴なし


高校生失明事件、警察官の判決が確定 罰金100万円 期限までに控訴なし 那覇地方裁判所(資料写真)
この記事を書いた人 琉球新報社

 沖縄県沖縄市宮里の路上で2022年1月27日未明、バイク走行中だった当時高校生の男性(19)と沖縄署勤務の警察官が接触し、男性が右目を失明するけがを負った事件で、警棒を差し向けるなどし職務上の注意義務を怠って重傷を負わせたとして、業務上過失傷害罪に問われた警察官の男性被告(31)=宮崎県警所属=を罰金100万円の有罪判決とした那覇地裁判決が10日、確定した。9日の期限までに控訴がなかった。

 判決は、被告が通達などで定められた装備資機材を正しく活用せずに警戒活動に当たったと認定。職務質問をしようとし、進行するバイクの前に警棒を差し出した過失でけがを負わせたとして、「警察官に課せられた基本的な注意義務に反する重大なものである」と指摘していた。一方、被害男性側は「右目を失ったのに、判決は軽すぎる」と反発していた。

 事件直後、警察の対応に不満を持った若者らが22年1月27日深夜から28日未明、沖縄署を襲撃するなどした。県警は22年11月、被告の行為は職務の適正を欠くとして、故意性が問われる特別公務員暴行陵虐致傷容疑で書類送検。那覇地検は23年6月、故意ではなく過失を問う業務上過失傷害罪で在宅起訴した。