FC琉球、ドロー サッカーJ3第7節


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同点弾を放つ得点王の田中恵太=1日、県総合運動公園陸上競技場(屋嘉部長将撮影)

 サッカー明治安田J3のFC琉球は1日、県総合運動公園陸上競技場でSC相模原と第7節を戦い、2―2で引き分けた。琉球は4勝2分け1敗で勝ち点14、得失点差で3位に順位を下げた。琉球は前半、相模原のMF深井正樹に先制を許し、前半終了間際にPKで追加点を奪われた。退場で1人欠けて0―2で迎えた後半16分、FWパブロがキーパーを抜いてゴール。同28分、MF田中恵太が同点弾を放ち、勝ち点を分け合った。次節は8日午後1時から、ガイナーレ鳥取ととりぎんバードスタジアムで対戦する。(観客1382人)

琉球(4勝2分け1敗)(14)
2―2(0―2,2―0)
相模原(3勝2分け1敗)
(11)
▽得点者【琉】パブロ(2)田中(5)【相】深井2(PK1)(2)
▽観衆 1382人

 【評】結果的にエキサイティングなサッカーを見せた琉球。前半はボール保持率の高さと裏腹に攻撃が得点に結び付かなかった。退場で10人となり0―2で折り返した。後がない後半、琉球は終始走り続けた。後半16分、FWパブロのゴールで勢い付き、同28分にMF田中恵太が同点弾を突き刺し会場を沸かせた。(崎原有希)

◆前半の入りに課題
 金鍾成(FC琉球)監督の話 “ホームゲームで勝つ”ため攻撃的選手を残し、結果的に足りない人数で追い付いた。課題の前半の入りは良くなかった。前半はボール保持に陥った感があった。攻撃の牙をむく形が作られていない。追い込まれたら力が出るのは当たり前だ。引き分けで良しとせずにやらないと厳しくなる。

◆負けに等しい
 薩川了洋(SC相模原)監督の話 3点目を取れなかった。負けに等しい勝ち点1だった。琉球はハッキリした戦い方をしていた。後半、間延びしだしたのは自分に責任がある。(昨季まで琉球の監督として指導した選手らは)指導を受けたこともできているし、(金鍾成監督)の良さもミックスされた中でできている。成長が感じられた。

◆田中 意地の同点弾
 昨季までFC琉球を指揮した薩川了洋監督率いるSC相模原との“負けられない戦い”は、今季初先制を奪われた第4節から3試合連続の悪い流れで始まった。
 前半13分、相模原のMF深井正樹にこぼれ球を押し込まれた。琉球は前半、相模原に「ボールを持たされている」(MF田中恵太)状態が続いた。ボール保持率は高かったが、単調になり得点には結び付かず悪夢は続く。同43分、DF才藤龍治がレッドカードで退場し、同44分、PKで深井に追加点を奪われた。
 ハーフタイムに「1人足りない意識を持つな。0―2のビハインドの気持ちでやれ」と金鍾成監督はげきを飛ばした。その言葉で「吹っ切れた」(GK朴一圭)。
 後半16分、FWパブロが「キーパーを抜いた方がいいと判断」し、相手の守備陣をかわしてゴール。同28分、直前に投入されたFWレオナルドからパスを受けた田中は「中に上げようと思ったが角度的に厳しく、(直接)打っちゃおう」と右サイドから突き刺した。
 前監督に「面白い試合だったでしょ。俺は全然面白くないけど」と薩川節を炸裂(さくれつ)させた琉球。田中は「勝ち点1で良かったとは思わない」ときっぱり。成長した姿と共に新たな課題も見えた。(崎原有希)