社会

アートで発信 平和と鎮魂 来月摩文仁で「すでぃる」再び

2回目となる摩文仁・ピースプロジェクトに出展する作品制作への意気込みを語る参加作家ら=8日、県立博物館・美術館博物館講座室

 昨年4月から9月にかけて県内5カ所で展開された戦後70年沖縄美術プロジェクト「すでぃる」が、糸満市摩文仁で開催されたマブニ・ピースプロジェクトに絞って継続することになり、6月3~26日、平和祈念資料館、平和祈念堂などで開催される。「すでぃる―Regenerationプロジェクト実行委員会」が主催する。そのプレイベントとして8日、県立博物館・美術館の博物館講座室で公開座談会が開かれ、実行委員や参加する美術家ら約40人が出席して、開催の意義や展望、出展に臨む意気込みなどを語った。

 昨年13人だった参加作家は、今年は23人。「平和の礎」が建つ摩文仁の地で平和と鎮魂をテーマに、絵画、写真、演劇など幅広い分野にわたり表現の可能性に挑む。摩文仁公民館、糸満市役所、同市米須のギャラリー「キャンプタルガニー」も会場に加わり、糸満市役所では中高校生の作品を展示する。
 座談会は実行委員会の神谷三島氏の進行で、初めに関係者が提言を行った。3月まで県文化振興会のプログラムディレクターを務めた杉浦幹男氏は「沖縄で平和を語ること自体が文化発信だ。国際ビエンナーレが全国でブームだが、ほとんどが場所に関係ない。沖縄は場所が個性を発揮し、沖縄をアピールできる」と、国際イベントに発展する可能性を強調した。
 ほかに実行委員で参加作家の比嘉豊光氏(写真家)、沖縄協会専務理事の比嘉正詔氏、キャンプタルガニーの大田和人氏、琉球大准教授の上村豊氏が提言を行った。
 参加作家17人も順に発言。「表現の自由が失われつつある。表現を止めてはいけない」「『世界の摩文仁』にしたい」「4月から作品を制作しながら沖縄で過ごすことで過去と直結する」など、緊張感を込めながら意気込みを語った。