エアコン補助廃止、沖縄108校 全国一影響大きく


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 【東京】米軍基地周辺の学校で実施されている防音事業の空調(エアコン)維持費補助が2016年度以降の実施設計分から一部廃止される問題で、沖縄県内では保育所、幼稚園、小中高校の計108校・施設が廃止対象になることが9日、分かった。防衛省によると、15年度の全国の補助実績は262校・施設、3億1700万円。県内は108校・施設で2億1800万円となっている。昨年度の実績で、沖縄の割合は施設の41・2%、金額は68・7%を占めており、全国一律の制度変更だが県内への影響の大きさが浮き彫りとなった。

 空調維持費補助はうるささの度合いに応じ4等級に分かれる。うるささの度合いが高い1、2級の補助は継続されるが、3、4級は16年度以降に空調設備の更新などで実施設計を行う空調維持費補助が廃止されることになる。米軍基地だけでなく自衛隊基地も含まれる。
 防衛省は3、4級の補助廃止について、国の財政事情の厳しさをあげながら、1、2級よりも「比較的、影響が少ない」ことなどを理由に交付要綱が変更されたと説明した。
 同省は学校名などを明らかにしていないが、本紙の調べで3、4級で補助が廃止されるのは恩納村で15、伊江村で6、西原町の5、那覇市の19などとなっている。
 一方、防衛省は3、4級の学校・施設で16年度以降に空調の「機能復旧(更新)」工事を行う場合、補助率を3級で85%から90%、4級で75%から85%に引き上げる。
 空調維持費補助の一部廃止については、県教育庁が撤回を求める方針を示しており、県内では波紋が広がっている。米軍基地を抱える14都道県でつくる渉外関係主要都道県知事連絡協議会は9日現在で詳細な情報を把握していないとして対応を決めていないが、例年政府への要請で空調維持費の「全額国庫負担」を求めている。 (仲村良太)
英文へ→Japanese government to stop subsidies for air conditioning at 108 Okinawan schools