那覇の街を走る本格人力車!?【島ネタCHOSA班】


那覇の街を走る本格人力車!?【島ネタCHOSA班】 カジマヤー祝いの道ジュネーも
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

国際通り付近を、ときどき人力車が走っているのを見かけます。沖縄で人力車って珍しくないですか?気になるので、ぜひ取材してみてください!

(那覇市 ゴー・ウエスト)

後ろの座席に人を乗せ、俥夫(しゃふ)と呼ばれる引手によって走る人力車。現在では京都や東京浅草などで乗れる観光用が一般的ですが、国際通りでも走っているとは初耳です! 調べてみると「人力車 花鳥風月~RyuKyu~」というお店がヒット。さっそく調査員は指定されたホテルへ向かいました。

那覇を中心にガイド

長谷川達郎さん

2メートル近くある人力車とともに迎えてくれたのは代表の長谷川達郎さん(39)。北海道出身の長谷川さんは、浅草で観光人力車の俥夫として勤務した後、沖縄へ移住。人力車時代に師事していた先輩が独立開業した人力車会社「花鳥風月」の姉妹支部として、2019年に「人力車 花鳥風月~RyuKyu~」をオープン。開業当時から現在まで、長谷川さん自ら俥夫を務めています。

現在は国際通り周辺や若狭・波上宮など、那覇を中心としたコース巡る、観光人力車をメインに活動。長谷川さんが現地を巡って調べたというガイドは、観光客はもちろん県内の人からも好評です。

「実際に乗ってみますか?」という長谷川さんの言葉に、思わず二つ返事の調査員。初の人力車体験にまず驚いたのが、想像以上に快適な乗り心地。長谷川さんいわく「大きなタイヤが振動を吸収してくれている」とのこと。心地良い揺れで赤ちゃんが眠ってしまうこともあるそうですよ。座席からの景色は歩く視線とは違って新鮮で、あっという間に目的地に到着してしまいました。乗り降りの際には専用の踏み台があるので、小さな子どもやお年寄りにも安心です。

婚礼・催事でも大活躍

「花鳥風月~RyuKyu~」は観光人力車のほか、婚礼・催事などの出張営業も行っています。そのなかで長谷川さんが印象的に残ったというお話を聞いてみました。

「『大の相撲好きのおばあさまを喜ばせるため、結婚式で人力車を使いたい』というご依頼で、大相撲の取組の際に力士を呼び上げる『呼び上げ』に合わせて、人力車に新郎新婦を乗せて入場したんです。拍子木が鳴る中ゆっくりと会場を回り、最後にポーズを決めたら、おばあさまがすごく喜んでくれて。やってて良かったなって思いましたね」

「人力車婚礼道中」の一幕(提供写真)

沖縄の長寿祝いの一つであるカジマヤー祝いでも人力車は活躍します。

「カラフルな飾り付けをした人力車に、カジマヤーのおじいちゃん、おばあちゃんを乗せて家々を回りました。地域の皆さんや、ずっと前から準備していた家族・親族の方々にも喜んでいただけて、感慨深いものがありました」とにこやかに語る長谷川さん。

今年の1月には振り袖姿の新成人を乗せて、波上宮を参拝したこともあったといいます。人生に一度の晴れ舞台をより思い出深いものにする人力車は、婚礼や催事を大事に思う沖縄の風土に合っているのかもしれませんね。

新成人を乗せて

「注文があれば南部から北部まで出張いたします!」とPRする長谷川さん。みなさんも、大切な記念日やイベント、特別な日に人力車を選んでみてはいかがでしょうか。


人力車 花鳥風月~RyuKyu~
TEL 080-1218-9869
web予約は全メニュー10%割引
WEBサイトhttps://kachofu.asakusa-star.com/ryukyu
Instagram@kachoufuugetsu_ryukyu

(2024年2月1日 週刊レキオ掲載)