糸満8強進出 九州春季高校野球


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 高校野球の春季九州大会(第138回九州大会)第2日は12日、長崎市の長崎県営野球場などで2回戦5試合が行われ、糸満が1―0で九産大九州(福岡)を下して8強に駒を進めた。13日に準々決勝4試合が行われ、糸満は午後0時半から大分と対戦する。

 地震で大きな被害のあった熊本県の九州学院は佐賀商に5―10で敗れた。第1日の2回戦で秀岳館が大分に屈しており、熊本県代表2校はともに初戦敗退となった。佐賀商は糸満(沖縄)、福岡大大濠、西日本短大付(福岡)、大村工(長崎)とともに8強入りした。
 福岡大大濠は神村学園(鹿児島)に11―1で六回コールドゲーム勝ち。西日本短大付は樟南(鹿児島)を4―3で退け、初出場の大村工は選抜大会に出場した日南学園(宮崎)を4―2で破った。

◆上良、空気変える一打
 糸満は九産大九州(福岡)を完封で下し、ベスト8に進んだ。「平安がよく踏ん張って、よく投げた」。4月から赴任した糸満の真玉橋治監督はエース右腕の平安常輝を手放しで褒めた。
 試合は終始糸満ペースだったが、得点に結び付かずに残塁で終わるなど、苦しい展開が続いた。ゼロ行進が続いた六回表、試合が動く。左投手対策で先発出場した右打者の上良朋弘が、好機は作るも「あと一本が出ない(糸満の)空気を変えよう」と打席に立った。2死一、二塁から「打つしかない」。左のフェンスに当たる適時二塁打の決勝点を放った。
 課題は守備のミスだ。送球エラーが2回あり、得点圏への出塁を許したが平安が踏ん張り、ピンチをしのいだ。平安は「テンポ良く抑えるピッチングやピンチで三振を取るギアチェンジができた」と振り返る。
 試合前はフォームが崩れ、調子が上がらなかった平安だが、九州大会に向け調整。得意の変化球に加えて真っすぐも生き、八回までを2安打に抑えた。最終回に無死で連打を浴びてピンチを招き、「最後の詰めができていない」と反省する。その後連続で3人を抑え、103球で完封した。
 準々決勝の相手の大分は糸満同様「地道にこつこつのチーム」と分析する真玉橋監督。「一戦が大事。気持ちの戦いだ」と勝利へ向け気合を込めた。