糸満逆転 4強入り 九州春季高校野球


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 高校野球の春季九州大会(第138回九州大会)第3日は13日、長崎市の長崎県営野球場などで準々決勝4試合が行われ、糸満は大分を5―3で下し、準決勝進出を決めた。このほか、西日本短大付(福岡)、福岡大大濠、長崎日大が4強入りした。14日の休養日を挟み、15日の準決勝で糸満と福岡大大濠、西日本短大付と長崎日大が対戦する。糸満は終盤まで大分にリードを許す厳しい展開だったが八回に逆転し、逃げ切った。

◆エース平安 粘り発揮
 初回に先制点を奪われ、その後も大分に加点され、糸満は厳しい展開だったが、チーム力で乗り切った。
 終盤に集中して得点を重ね、大分との接戦を制し、ベスト4進出を決めた。勝負を後半に定めた真玉橋治監督は「粘ってゲームをつくれた」と選手たちをねぎらった。
 大事な立ち上がりの初回に1点を先取されたが、それがチームを一つにする原動力となり、ゲームに対する雰囲気がつくられていった。終盤勝負に向けて我慢し、一つの好機を逃さずに生かした。
 主将の大城翔太郎は八回の守備で、中越えの打球をジャンプして好捕、最終回には適時打を放ち、勝利の一翼を担った。凡打が続いていた大城。九州大会初安打で「ようやく結果が出た」と胸をなで下ろす。
 一方「持ち味のスライダーが不調で守備に助けられた」と話すエースの平安常輝は、球速以上に伸びるストレートで抑え、走者が出ても粘りを発揮した。
 九回裏の守りは1死一、三塁とピンチの場面を迎えたが、肩に自信がある捕手の桃原虎雅が救った。「一塁ランナーをかえしたら同点」と緊張していたが、周りの声に後押しされ「よっしゃ、刺してやろう」と一塁走者の盗塁を阻止した。続く打者を平安が空振り三振に仕留め、逃げ切った。
 「ベスト4進出」という一つの目標を達成した糸満ナイン。「もっと上の世界を体験し、大会を制して沖縄に優勝旗を持って帰ろう」と勝利への執念を見せた。