社会
連載「希望この手に」

<「希望この手に」シンポに寄せて>1 「施設卒業」でも環境は変えられる!

山城謙人さん 児童養護施設「なごみ」卒業生

 小学校3年生から高校3年生まで、名護市にある児童養護施設「なごみ」で育てられた。幼稚園のころ両親が離婚し、僕らきょうだいは父親に引き取られた。父親はよくお酒を飲んだため仕事が十分にできず、生活は困窮していた。電気が止められ、こしょうをなめて、空腹をしのいだこともあった。

 父と3年暮らした後、祖父母に預けられた。祖父母は年金が収入源で経済的に苦しかったと思う。その後、僕らきょうだいは児童養護施設で暮らすようになった。

 長期休みは、那覇市に住む親友の家庭に滞在した。親友の父、照屋幸勇さん夫妻が愛情を注いでくれた。高校卒業後、照屋さんが営む会社に就職した。照屋さんが「おまえこっちだぞ」と声を掛けてくれたからだ。アパートの保証人も引き受けてくれた。照屋さん一家との出会いで僕の人生は大きく変わった。出会いが本当に大切だと感じている。
 現在、福祉関係の資格を取るため専門学校で学んでいる。いつか照屋さんに恩返しをしたいと考えている。

 「施設卒業」の経歴であれば人生は平行線か下降線をたどると考え、「施設卒業」をレッテルに感じる人もいる。しかし、環境は変えられる。親がいても不幸な人はいる。視野を広げ、幸せの価値を自分で創り出していけたら、人生はいい方向に動いていくと思う。
   ◇ ◇ ◇
 シンポジウム「希望この手に~沖縄の貧困・子どものいま」に向けて、登壇者に伝えたい思いを聞いた。シンポは20日午後6時半からパレット市民劇場で開かれる。入場無料。整理券が必要で、琉球新報社本社・各支社、沖縄テレビ、ラジオ沖縄で配布。問い合わせは社会部(電話)098(865)5158。



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