那覇市立病院「にっちもさっちも」小児夜間救急の一部制限、GW以降に通常体制見込み 医師不足要因、日中受診など呼びかけ 沖縄


那覇市立病院「にっちもさっちも」小児夜間救急の一部制限、GW以降に通常体制見込み 医師不足要因、日中受診など呼びかけ 沖縄 医師不足により小児夜間救急を一部制限すると発表した外間浩院長(左から2人目)=1日、那覇市立病院
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 那覇市立病院の外間浩院長らは1日、同病院で会見を開き、2日以降、小児夜間救急を毎日午前0時から同8時半まで休止すると発表した。医師の退職や休職などで宿直体制を維持できないことが要因。4月以降は医師2人が入局を予定しており、5月の大型連休以降は通常体制に戻す予定という。

 中・重症者の救急搬送については県立南部医療センター・こども医療センターに受け入れてもらうよう調整している。

 外間院長は、24時間365日体制を維持してきた小児夜間救急を初めて制限する事態について、「地域の皆さまにご不便をかけることが心苦しく申し訳ない」と述べた。南部医療センターに負担が集中しないよう、子どもの発熱時は市販薬の活用や地域のクリニックが診療している時間帯に受診するなどの対応を求めている。

 同院の小児科急病センターの受診者は毎月800~1100人台で推移しているが、9割以上は入院が必要ない軽症事例という。16人体制で運営している小児科はすでに時間外労働が慢性化して疲弊しており、医師の退職や休職で「にっちもさっちもいかない状況」に至ったという。

 全国的に夜間救急の過重負担や医師不足が問題視されている。県内では県立中部病院が小児科医師不足により夜間救急を制限している。那覇市立病院の豊見山直樹副院長は「病院単位の取り組みでは限界」と述べ、行政を交えて救急医療の現状を周知し、県民の受療行動を変化させる必要性を訴えた。(嘉陽拓也)