「先達への感謝の心でいっぱい」 宮城能鳳さん芸術院会員辞令伝達式 組踊立方、沖縄から初


「先達への感謝の心でいっぱい」 宮城能鳳さん芸術院会員辞令伝達式 組踊立方、沖縄から初 日本芸術院の新会員に選ばれた喜びを語る、「組踊立方」人間国宝の宮城能鳳さん=1日、日本芸術院
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 【東京】日本芸術院(野村萬院長)は1日、東京都内で芸術活動で顕著な功績があったとして選出した新会員12人への辞令伝達式を行った。「組踊立方」人間国宝の宮城能鳳(みやぎ・のうほう)さん(85)=与那原町=が式典に出席し、新会員の辞令を受けた。

 県出身者として日本芸術院会員に初選出された能鳳さんは、「先達への感謝の心でいっぱい」と充実感をにじませた。

 舞踊分野での選出。推薦した理由について同院は、古典だけでなく廃絶曲の復曲や新作の創作への積極的な取り組み、多くの専門家の育成などを挙げ、長年の芸能活動全般を評価した。

 能鳳さんは「身に余る光栄だ」と表情を引き締め、「先取先達が多くの困難を強靱(きょうじん)な精神力で乗り越えられ、伝統芸能をしっかり守り残してくださった」と、伝統を絶やさず継承した先人への感謝の思いを強調した。

 能鳳さんは1938年生まれ、旧佐敷村(現南城市)出身。本名は徳村正吉(まさきち)。初代宮城能造に師事。県立芸術大名誉教授。2006年に重要無形文化財「組踊立方」保持者(各個認定)=人間国宝=に認定。09年に重要無形文化財「琉球舞踊」保持者(総合認定)に認定された。19年に日本芸術院賞、国の文化功労者にいずれも県出身者で初めて選出された。13年に琉球新報賞。宮城本流鳳乃会(おおとりのかい)家元。