ガザ、ミャンマーに関心を 那覇でピース&デモクラシーフォーラム


ガザ、ミャンマーに関心を 那覇でピース&デモクラシーフォーラム パレスチナのガザ地区、ミャンマーの現状が報告され、知ることや考え続けることの大切さが伝えられた「ピースアンドデモクラシーフォーラム2023」=3日、那覇市の県立図書館
この記事を書いた人 Avatar photo 岩崎 みどり

 沖縄から平和と国際協力を考えるフォーラム「ピースアンドデモクラシーフォーラム2023」が3日、那覇市の県立図書館内で開かれた。沖縄平和賞の受賞団体有志でつくる実行委員会が主催。パレスチナ、ミャンマーで活動する2団体がそれぞれ現状を報告した。戦争や紛争に関心を持ち続け、伝えていくことの重要性を確認した。

 フォーラムは3回目。これまではオンラインでの開催だった。今回、会場に78人、オンラインで95人が参加した。

 日本国際ボランティアセンター(JVC)でパレスチナ支援に当たる現地事務所の木村万里子さんがオンラインで、伊藤解子さんが会場でパレスチナの状況を報告した。木村さんは、昨年10月以降のイスラエルによるガザ攻撃で3万人超の死者、8千人以上の行方不明者が出ていることを説明した。「犠牲者の3分の1は子どもと言われる。今後を支える世代が失われ、未来さえも失われている」と話した。

 難民を助ける会(AARジャパン)の野際紗綾子さんはミャンマーの現状を報告した。2021年以降の内戦で国民3分の1に緊急人道支援が必要な状況にもかかわらず、世界の関心が薄れ「忘れられた危機」とされたことを話した。「沖縄平和賞が団体や人をつないでくれた。力を合わせて未来をつくれたら」と呼び掛けた。

 事業の一環で2日間にわたり県内外の大学生10人が県平和祈念資料館や宜野湾市の嘉数高台などを訪れた。学生が一人ずつ考えたことを報告した。琉球大学2年の学生は「沖縄では沖縄戦の継承が課題だが、世界各地で似たような状況が起きている」と話した。その上で「関心を持ち、考え続けないといけない。沖縄にいる私は、米軍基地や沖縄戦継承の問題に向き合い続けないといけない」と話した。

 最後に、シャプラニール=市民による海外協力の会の小松豊明さんが「沖縄平和賞の受賞団体として沖縄の現状を伝えていくこと、国際協力をする団体として海外で起きていることを沖縄をはじめ皆さんに伝えていく役割があると確認した」と話した。

(岩崎みどり)