大城(女子400障害)15年ぶり大会新 県高校総体第2日


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 2016年度県総合体育大会は29日、県内各地で25競技が行われた。重量挙げ男子105キロ級では棚原幹善(沖縄工)がスナッチで県高校記録を更新する135キロを成功させ、トータルでも286キロと県高校記録を上回った。105キロ超級の宮城昌義(同)はジャークで165キロを挙げ、大会記録を抜いた。陸上は女子400メートル障害の大城有利加(那覇西)が大会記録を15年ぶりに塗り替える1分2秒21で優勝した。男子5000メートルの兼次祐希(コザ)は14分54秒52で制し、大会記録を10年ぶりに更新した。剣道は男女ともに小禄が優勝した。なぎなたの演技は石川琴絵・伊佐初子(知念)が制し、個人試合は川本菜美(首里)が頂点に輝いた。団体試合は首里が初の栄冠を手にした。レスリングは個人戦が行われ、66キロ級は佐久田匠(浦添工)、60キロ級は大城達人(北部農林)が制した。28日に行われた団体戦は北部農林が8年ぶり20度目の優勝だった。

女子400メートル障害で大会新を記録し優勝した那覇西の大城有利加=29日、沖縄市営陸上競技場 (屋嘉部長将撮影)

◆100障害V3へ好発進
 167センチの長身が、柄の大きな走りでハードルを次々さばく。大城有利加(那覇西)が予選、決勝で大会記録を15年ぶりに2度塗り替え、女子400メートル障害を制した。日々競い合う那覇西勢で表彰台を独占し、31日に決勝が控える“本職”100メートル障害3連覇に向けて好発進した。「お互い高め合える仲間と環境に、本当に感謝したい」
 この日、特に意識したのは後半に失速せずしっかりとハードル間の歩数を刻むことだ。前半は16歩、後半は17か18歩。予選、決勝とも1台目を普段と逆の左脚で踏み切る想定外の展開となるが、「推進力やカーブの入りがいつもより良かった」と収穫に変えた。納得できない部分もあるが「100につなげるには悪くない」と前向きに捉える。
 この夏の九州や全国の舞台で狙うのは順位でなく、記録だ。県高校記録を出したばかりの100メートル障害では、県記録更新を見据える。今までたどり着かなかった全国総体の決勝に上るのが「一番の目標」と高い場所を向く。(石井恭子)

105キロ級のスナッチで県高校記録の135キロを挙げる棚原幹善(沖縄工)=29日、糸満高(平安太一撮影)

◆棚原(男子105キロ級)県高新
 棚原幹善(沖縄工3年)の動きに迷いはなかった。落ち着いた表情で試技台に上がり、シャフトを握る。大声で気合を入れて、一瞬でバーベルを頭上に掲げる。そして、ゆっくりと立ち上がる。135キロの重量を示す掲示板に成功のランプがともる。105キロ級スナッチの県高校記録(128キロ)と大会記録(121キロ)を塗り替えて、静かに試技台を後にした。
 記録更新には自信があった。従来の記録は自らが打ち立てたもので、「練習から調子が良くてすぐに超えられると思っていた」。1本目で大会記録を上回る125キロを成功して「軽かった」と好感触を得ると、2本目で130キロを挙げて県高校記録も抜き去った。3本目に選んだのが自己ベストと同じ135キロで、「誰にも超えられたくない記録を残したかった」と振り返る。
 昨年の県総体以降からフォームの改善を徹底して「記録が少しずつ伸びている」と言う。ジャーク3本目の151キロを挙げたことでトータルでも県高校記録を1キロ上回ることができた。(平安太一)