読谷山焼の北窯・松田さんら描く 映画「あめつちの日々」


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自身が出演した映画「あめつちの日々」への思いを語る松田米司さん=読谷村

 沖縄県読谷村の読谷山焼「北窯(きたがま)」を舞台にしたドキュメンタリー映画「あめつちの日々」(92分、川瀬美香監督)が4日から那覇市の桜坂劇場で上映される。「北窯」の工房の一つ「松田米司工房」の親方(工房主)で、映画では中心的に描かれた松田米司さんは「焼き物のできあがる行程を知ってもらえるし、台風など自然との闘いもあり、『意外とアクティブなんだ』ということも伝わるはず。焼き物作りは簡単じゃないよ」と笑った。

 映画は川瀬監督の「土に携わっている人を撮りたい」というテーマで2012年から3年間、撮影された。松田さんら4人の親方の共同窯「北窯」の様子を記録し、焼き物と懸命に向き合う陶工の姿や工房の風景を淡々と描く。松田さんは「いつカメラを回しているのか分からないくらい自然だった。撮影中も緊張することはなかった」と振り返った。

 1992年に北窯を開いて24年目を迎えた。これからも生活の中に溶け込む焼き物を作りたいという。「『自分の作品を見て』ではなく、器で生活を支えることが大事」と力強く語った後、すぐに「ちょっとかっこよく言い過ぎかな」とちゃめっ気たっぷりに付け加えた。

 4日の上映(午後3時10分)終了後には松田さんが舞台あいさつに登壇する。問い合わせは桜坂劇場(電話)098(860)9555。