日米防衛相会談、地位協定改定を議論せず 「軍属」は範囲明確化へ


この記事を書いた人 志良堂 仁

 【東京】中谷元・防衛相は4日、シンガポールで、カーター米国防長官と会談した。米軍属女性遺棄事件を受け、米軍関係者の法的な取り扱いなどを定めた日米地位協定に関し、適用対象となる「軍属」など米軍関係者の範囲を明確にする協議を近く始めることで一致した。中谷氏は県が再発防止のために求めていた地位協定の改定には踏み込まなかった。防衛省が同日夜、発表した。

 今後の協議は、日米の外務、防衛当局によるハイレベル会合で実施し、早急に取りまとめると確認した。事件の再発防止策として(1)軍属を含む地位協定上の地位を有する米国人の扱いの見直し(2)監視態勢強化(3)教育・研修の強化-に取り組む考えで一致した。中谷氏は事件を防げなかったとして米軍への抗議の意思を伝えた。カーター氏は「米国民を代表し、おわびを申し上げたい」と述べた。

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設については、中谷氏が代執行訴訟の和解に触れながら「辺野古が唯一の解決策であるとの立場は不変である」と説明。カーター氏は「引き続き緊密に協力したい」として、現行計画を進める考えを確認した。