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コラソン追い付けず 豊田合成に26―33<JHL>【31日の試合】


コラソン追い付けず 豊田合成に26―33<JHL>【31日の試合】 琉球コラソン―豊田合成 前半、シュートを決めるコラソンの髙橋友朗=31日、県立武道館(喜瀬守昭撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 三太

 日本ハンドボールリーグ(JHL)男子の琉球コラソンは31日、那覇市の県立武道館アリーナで昨季王者の豊田合成ブルーファルコンと今季第17戦を行い、26―33で敗れた。通算成績は2勝14敗1分けで、順位は11位のまま。豊田合成は津波古駿介(興南高―東海大出)と石嶺秀(同)が所属。津波古は先発出場し、2得点でチームに貢献した。石嶺も途中出場した。

 コラソンは前半、髙橋友朗が高い精度のシュートを何度も決めて流れを引き寄せた。佐藤草太も得点源となり、デビュー戦となったGK島袋翔はナイスセーブを連発し、12―15で折り返した。後半は左サイドの仲程海渡が得点を決めて奮起した。コラソンは14分過ぎに2点差まで迫ったが、終盤に突き放された。試合は開始5分過ぎに天井の雨漏りで約30分間中断した。

 次戦は6日午後1時から、福井県営体育館で福井永平寺ブルーサンダーと対戦する。


昨季覇者に善戦 収穫と確かな手応え

 現在2位で昨年の覇者、約2メートルの選手2人を擁する強敵に善戦し、収穫と手応えを得た。最後は7点差をつけられたが、後半14分には2点差まで迫った。後半16分ごろに退場者を出した場面から連続得点を許し、終盤に突き放された。

 後半、速攻から佐藤草太が視野の広いロングパスを供給し、左サイドの仲程海渡らが1対1で得点を重ねた。東江正作監督は「前の試合では相手の懐に近いところでプレーし、抑えられた。(今回の試合は)距離を取ってスピードを生かすことができた」と佐藤を評した。ただ、日本代表GKを前に7本中2得点と、シュートの精度は課題となった。

 前半、点差を離されたくない場面で島袋翔が切れのあるセーブでチームを救った。髙橋友朗は高精度のシュートを次々に決めて、個人技の高さで流れをつくった。

 東江太輝主将は自身に相手守備を引きつけ、周囲を生かすプレーに徹した。「みんな落ち着いてプレーし、ノーマークの選手にパスを回せていた。やろうとした展開が出せた」と確かな手応えを感じている様子。残り7試合。上昇気流に乗って一つでも多く勝利に近づきたい。

(大城三太)


▽男子

豊田合成(31)
 33―26(15―12,18―14)
琉球コラソン(5)

トヨタ車体(34)
 30―26(15―11,15―15)
安芸高田ワクナガ(16)

チームは変革期

 東江正作監督(琉球コラソン)の話 今季一番の手応えだ。中断期間明けで1位のトヨタ車体、2位の豊田合成と上位との対戦となった。車体戦はミスやとまどいがあったが、今日はいい展開だった。2選手の引退もあり、再構築してチームは発展途上だし、変革期にある。


好セーブを連発 GK島袋デビュー戦で活躍

琉球コラソン―豊田合成 何度も好セーブを見せたコラソンの島袋翔

 デビュー戦となった八重瀬町出身のGK島袋翔が好セーブを連発し、チームを勢いづけた。「小さい頃からコラソンの試合を見に来ていて、クラブや実業団でプレーすることが夢だった」と憧れの舞台で第一歩を踏み出した。「ずっと会場から見てる側だったので、とまどいもあった」としつつも「声援のおかげでいいプレーができた」と笑顔がはじけた。

 那覇西高出身で高松大を卒業したばかり。176センチ、90キロで「身長がない分、反射神経や俊敏さが持ち味」とシュートを防ぎ、会場を沸かせた。「早く動き出すと相手にやられる。ぎりぎりまで我慢しながら動かずにいけたことがセーブにつながった」と自信をみなぎらせた。東江正作監督も「位置取りや反射神経が良く、あれぐらいやると思っていた」と太鼓判を押しつつ、これからの成長に期待した。

(大城三太)


故郷で躍動、勝利貢献 豊田合成 津波古と石嶺

故郷で応援を背にプレーした豊田合成の津波古駿介(右)と石嶺秀

 豊田合成の津波古駿介と石嶺秀が故郷沖縄のコートで、はつらつとプレーした。

 2得点した30歳の津波古は左サイドで先発し、プレー時間も長かった。「最近はベンチにも入れていなかった。練習で監督にアピールしながら、圧をかけていたので出してくれたかもしれない」と苦笑いした。チームは16戦で15勝1分けで現在2位。今季優勝すればリーグ4連覇を達成する。「自信を持って気負わずにいきたい」とチームへの貢献を誓った。

 入団1年目で23歳の石嶺は「緊張していた」とシュート2本を放つも得点はならなかった。「経験を積んで慣れていかないといけない」と成長を約束し、「連覇は簡単じゃないが1位通過でプレーオフに進みたい」と強豪チームの一員として高みを目指す。

(大城三太)