国、違法確認訴訟を提起 辺野古巡り再び法廷闘争へ


この記事を書いた人 松永 勝利
県の不作為の違法確認訴訟の訴状提出後、報道陣に囲まれる那覇地方法務局の職員=22日午前9時1分、那覇市樋川の福岡高裁那覇支部

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、埋め立て承認取り消しに対する国の是正の指示に翁長雄志知事が応じないのは違法だとして政府は22日午前9時前、不作為の違法確認訴訟を福岡高裁那覇支部に提起した。新基地建設に関する県と国の対立は代執行訴訟での和解成立から4カ月余りで、再び法廷闘争に突入する。協議による解決を求めていた県と国の対立が深まるのは必至だ。
 同日午前9時前、多くの報道陣が待ち構える中、那覇地方法務局の職員2人が高裁那覇支部に訴状を提出した。
 地方自治法の規定により、8月上旬には第1回口頭弁論が開かれる。代執行訴訟を和解に導いた多見谷寿郎裁判長が訴訟を指揮する見通し。是正の指示や承認取り消しの適法性について審理される。
 国の是正の指示に対して、県が審査を申し出た国地方係争処理委員会は違法性を判断せず、県・国双方に協議を促す結論を出した。そのため県は21日が提訴期限であった是正の指示の取り消し訴訟を提起せずに、話し合いの継続を求めていた。
 21日午前に官邸で開かれた政府・沖縄県協議会で提訴方針を伝えられた翁長知事は「訴えが可能となる日を待っていたかのように直ちに提訴する判断が示されたことは非常に残念だ」と述べ、国の姿勢を批判した。
 国が地方自治体に不作為の違法確認訴訟を提起するのは、2012年の地方自治法改正で同訴訟制度が設けられて以来初めて。【琉球新報電子版】

英文へ→National government files new lawsuit against Okinawa, bringing Henoko issue back to court