【動画】デニー知事「断じて許せない」 米兵の性的暴行事件続発に強い怒り 「非人道的で卑劣」 沖縄


【動画】デニー知事「断じて許せない」 米兵の性的暴行事件続発に強い怒り 「非人道的で卑劣」 沖縄 記者の質問に険しい表情で答える玉城デニー知事=28日午後4時すぎ、沖縄県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 沖田 有吾

 今年5月に、在沖米海兵隊員の男が、女性に性的暴行を加えてけがをさせ、不同意性交致傷の容疑で逮捕、起訴されていたことが新たに明らかになったことについて、玉城デニー知事は28日夕、沖縄県庁で記者団の取材に対し「このような非人道的で卑劣な犯罪が再び発覚したことは、県民に強い不安を与えるだけでなく、女性の人権や尊厳をないがしろにするもので断じて許せるものではない。強い憤りを禁じ得ない」と話した。

 昨年12月に発生した米空軍兵長の男による少女誘拐暴行事件が明るみに出たことに続いて、在沖米軍人を被疑者とする性犯罪事件が判明した。今後、上京して抗議などさらに踏み込んだ対応をするかを問われ「必要性は高まったと思う。こういう状況が野放しにされているのは、遺憾の意を超えている怒りだと受け止めてもらわないといけない。早急に対応策に取り組むよう強く要請する」と強調した。

 米軍に対して「言葉でいろいろな取り組みをやっているというだけでなく、本当に事件や事故が発生しない、させないことを明確に打ち出してほしい。どのような教育をどのくらい時間をかけているか、具体的な説明を県民に示してほしい」と求めた。

 3月に少女誘拐暴行事件の被疑者が起訴された後、5月に海兵隊員による性的暴行事件が発生した。「情報を先に提出してもらっていればわれわれから米側に対してしっかり申し入れて、被害が発生しないようにという注意をできたと思う。非常に残念」と話した。

 少女誘拐暴行事件に続き、今回も外務次官からエマニュエル駐日米大使に対して抗議と綱紀粛正の要請をしていたにもかかわらず、県側には報告がなかったことについて「沖縄防衛局、外務省、県警も含めて、情報を共有するシステムをもう一度確認し、(共有するルートが)ないところにはつくるべきだ」と話した。

 玉城知事によると、県警本部の鎌谷陽之本部長と28日に意見交換し、誘拐という重大事件を公表しなかったことで地域の住民や、特に子供たちの安全を守ることができないのではないかという懸念を伝え、「米軍関係者が逮捕された時点で速やかに情報としてあげてほしい」と求めたという。鎌谷本部長からは「特に性犯罪にかかる情報提供については被害者保護の観点から個別に判断する必要がある」と説明があったという。