9回にマウンドに上がり、無失点と好投したKBCの譜久山暖（大城直也撮影）
琉球新報社 甲子園出場を争う2校が決まった。第106回全国高校野球選手権沖縄大会の第10日は20日、沖縄セルラースタジアム那覇で準決勝2試合を行った。エナジックはウェルネス沖縄を9―0の七回コールド勝ちで破り、初の決勝進出を果たした。興南はKBCを6―2で下し、2年ぶり23度目の決勝進出となった。決勝は21日午後1時から同球場で、エナジック―興南のカードで行われる。
スコアボードを先に動かしたのは、KBCだった。三回に興南に先制パンチを浴びせたが、直後に失点。投手リレーで粘ったが興南の背は遠くなる一方だった。逆転はかなわず決勝進出を逃した。
KBCは序盤、2年生左腕、崎濱海翔が先発し、興南打線を無安打に封じた。0―0の三回、7番・花城朗維の安打から好機をつくり、1点を奪取。さらに1死三塁で1番・真栄城蓮が直球を右へと運ぶ適時打。この回計2得点で、先制点から流れをつくる理想の展開だった。
しかし四回表に適時打などで逆転を許し2―3に。継投の浜元龍馬も粘投、必死に食らいつくがじわじわと離される。
4点ビハインドで迎えた最終回の守備。主将の譜久山暖がマウンドを引き継ぎ、砂川葵がマスクをかぶった。
1年生から組んできた3年生バッテリー。譜久山は「0点でつないで逆転する」と全力で腕を振った。しかし2人目に四球を出して1死1塁。メインのスライダーを投げようとするも、砂川からは「（直球で）どんとこい」の合図。気迫のこもった直球で攻め立て、連続で三振を奪って最後の攻撃へとつないだ。だが、逆転の一打が出ず、試合は終了した。
ノーシードから快進撃を続けてきたKBC。神山剛史監督は「まだ若いチームで、2年生も多くいる。ここまで来られた経験をいかしてほしい」とメンバーをたたえた。
（名波一樹）
▽準決勝
興南
000301110｜6
002000000｜2
KBC
（興）田崎、金城―丹羽、仲本
（K）崎濱、浜元、譜久山―花城、砂川
▽本塁打 石川（興）
▽二塁打 島田（興）
【評】KBCは三回に2点先制するも、四回に満塁とされ、逆転を許した。五回の満塁は無失点でしのいだが、興南は六回以降に投手を攻略し、着実に加点した。守備では、八回まで投げた田崎颯士に安定感があり、四回以降はKBC打線を沈黙させた。
