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周辺住民、恐怖に声震わせる 「もしうちに落ちたら」近くの小中校、「不安」現実に <米軍ヘリ 沖国大に墜落>


周辺住民、恐怖に声震わせる 「もしうちに落ちたら」近くの小中校、「不安」現実に <米軍ヘリ 沖国大に墜落> 米軍ヘリがぶつかり、壁面が焼け焦げた沖国大1号館(本館)=宜野湾市宜野湾
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 米軍ヘリ墜落に、周辺住民は「心配していたことが現実になった」と恐怖を訴え、学校関係者も「もしうちの学校に落ちていたら」と声を震わせた。現場付近は病院、学校も含む住宅街。事故に不安が広がり、基地撤去を求める声が上がっている。

 七月の宜野湾市訪米行動に参加した津波古良一上大謝名区長は「一秒でも早く飛行場を移してほしい。二秒後には何が飛んでくるか分からない」と語気を強めた。

 大学から三百メートルほど離れた給油所には直径約十五センチの金属片が落下した。職員(一九)は「ドカーンと爆発し、黒い煙が空一面に広がった後、しばらくして破片が飛んできていた」と恐怖を語った。

住宅地まで飛んだローターを大学構内に運び込む米兵ら=13日午後6時23分ごろ、宜野湾市沖国大構内(読者提供)

 近所に住む女性(三一)は事故を知り、生後六カ月の長男を抱えて外に出た。自宅に戻ると、室内には窓ガラスを突き破ってきたコンクリート片や割れたガラスが散乱。女性は「そのまま部屋にいたら大変なことになっていた」と震えた。

 事故発生時、嘉数中学校では、プロペラの落下を目撃した野球部員も。事故後、保護者から安否を気遣う電話が相次ぎ、小波津和雄教頭は「最近、低空飛行が増えて不安だった。民間地に飛行場があることが問題だ」と基地に強い疑問を投げた。

 志真志小学校の久銘次利男校長は「現場はわずか数百メートル先。もしこの小学校に落ちていたら大変だった」。同小では事故当時、バスケット部や少年野球の児童らが練習中だった。

 事故直後、消防署から緊急待機を求める電話があった現場近くの宜野湾記念病院。玉榮剛副院長は「普段から騒音に悩まされている。病院の環境という以前に住宅地の環境でない」と強い不快感を表した。

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<ドキュメント>
 13日・午後 2時15分   米軍普天間飛行場から訓練飛行のため飛び立ったCH53Dヘリがバランスを失い沖国大1号館(本館)に衝突後、駐車場に墜落。「直後に米兵約50人が構内に入り、事故現場を封鎖。本館から職員を退去させられた」と大学職員
    午後 2時19分   宜野湾市消防本部から消防、救急車両11台が出動
    午後 2時20分   伊波宜野湾市長が市内で普天間基地返還要請のための訪米行動の報告中、事故の知らせを受ける
    午後 2時25分   消防が現場到着、消火作業開始。構内放送で学生に退避呼び掛け
    午後 2時40分   火災鎮圧
    午後 2時50分ごろ 米軍が通行止め。墜落のニュースを知った市民らで現場が混雑
    午後 4時半    本館に入ろうとした渡久地沖国大学長らを米軍、県警が制止。渡久地学長「強く抗議」。市議会が基地関係特別委員会を招集
    午後 5時45分   伊波市長と渡久地学長が会見。「最悪のヘリ事故」
    午後 7時20分   ブラックマン四軍調整官がキャンプ瑞慶覧で記者団にコメント発表。「不安をもたらし深く遺憾」
    午後 9時     四軍調整官らが県庁を訪れ、牧野副知事に謝罪
    午後 11時     嘉数防衛政務官らが同副知事に謝罪
    午後 11時45分   沼田沖縄大使が同副知事に謝罪