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墜落現場、米軍が封鎖 合同検証めど立たず 県警要請に回答なく、続く現場待機 沖国大


墜落現場、米軍が封鎖 合同検証めど立たず 県警要請に回答なく、続く現場待機 沖国大 大破したヘリの現場検証を行う米兵=14日、午前10時30分ごろ、宜野湾市宜野湾の沖国大構内
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 十三日、宜野湾市で発生した米軍ヘリ沖国大墜落事故で、県警は十四日午前、米軍に合同の現場検証の実施を申し入れたが、米軍から明確な回答はなく、検証開始のめどは立っていない。県警は合意があれば、直ちに検証を開始する方針で、現場待機を続けている。米軍は安全性の確認を理由に墜落現場の封鎖を継続。周辺の道路を県警が通行止めにするなど、厳重な警戒態勢が敷かれている。一方、西正典那覇防衛施設局長は同日、米軍がヘリ総点検終了までの間、ヘリの飛行を停止する方針を示していることを明らかにした。

 県警は「現場検証には地位協定で米軍側の合意が必要」として、十四日午前十時すぎ、石垣栄一捜査第一課長がキャンプ瑞慶覧を訪れ、海兵隊法務部に申し入れた。しかし、対応した法務部長は「上司に相談して回答する」と答えるにとどまり、明確な回答時期についても示さなかったという。石垣課長は「速やかな回答を求めると申し入れた」と話した。

 米軍は十四日午前、県警に「安全性の確認には四段階の作業が必要」などとして墜落現場周辺の封鎖を継続。現場には事故機の残がいが前日と同じ状態で保存され、防護服を着た米兵が機体の調査などを実施している。

 現場周辺には広くヘリの部品が落下していることから、県警はヘリの部品の飛散状況、落下物による被害者や被害の有無、また、目撃者を探すため、現場検証に優先させて周辺の聞き込みを中心に捜査を進めている。

 長田交差点から真栄原交差点に抜ける県道は現場保存のため沖国大前の約百五十メートルで一般車両の通行止めが続いている。

 県警は十三日に被疑者不詳の航空危険行為処罰法違反の容疑で現場検証の令状を取った。また、事故直後に設置した米軍ヘリ墜落に伴う県警対策本部(本部長・高橋清孝本部長)を宜野湾署の捜査本部(本部長・當銘健徳署長)に移行した。