辺野古阻止へ支援訴え 米退役軍人団体VFPが総会 沖縄支部5人も参加


この記事を書いた人 志良堂 仁

 【バークレー=問山栄恵本紙ワシントン特派員】退役軍人らでつくる米国の平和団体「ベテランズ・フォー・ピース(VFP)」の第31回年次総会が12日、米カリフォルニア州バークレー市で開幕した。VFP琉球沖縄国際支部(VFP-ROCK)の5人も参加。会場に特設コーナーを設け、名護市辺野古の新基地建設中止に向けて支援を求めた。

 開会式ではマイケル・マクファーソン事務局長が沖縄支部に言及。6月19日付の本紙県民大会別刷り特集200部も配布された。

 同沖縄支部のダグラス・ラミス代表(沖縄キリスト教学院大学大学院客員教授)は「沖縄に新しい基地をこれ以上、いらないとの認識が広がっている。辺野古移設は知事が反対し、選挙でも移設反対の候補が当選した。新基地建設中止への闘いは勝てる闘いだと訴えていきたい」と強調した。

 映画監督のオリバー・ストーン氏や医師で国際的反核運動指導者のヘレン・カルディコット氏らがそれぞれ、米国の戦争について語った。

 新基地建設中止に賛同し、署名したベトナム戦争時の元陸軍兵グレッグ・ミラーさん(70)=カリフォルニア州=は「長期間にわたり米軍が占領していることは異常だ。日米両政府は沖縄県民の意見を尊重するべきだ」と述べた。元海軍兵で沖縄にも駐留経験があるマイケル・ロンドワーさん(71)は「毎週日曜日にサンタモニカで集会をしている。その場で沖縄について話したい」と述べ、本紙の別刷り特集を持ち帰った。

 大会2日目の13日は同沖縄支部が提案している新基地建設計画の中止を求める決議案と米軍北部訓練場の一部返還に伴う東村高江周辺でのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)新設の中止を求める緊急決議案が審議される。14日にはラミス代表と同支部準会員の真喜志好一氏が辺野古や高江の現状を報告する。

 特設コーナーには、過重な米軍基地負担を抱える沖縄の現状や、翁長雄志知事をはじめ多くの県民が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対し、新基地が環境に影響を及ぼすことなどを説明する資料を展示。同時に署名活動も行った。

 VFPは戦争終結を目的に1985年に設立された。米国内外に120支部を持ち会員数は約8千人。沖縄以外にイギリスやベトナムなどに支部がある。