自分信じ、努力で結果 日本ジュニアゴルフ初優勝の新垣 一気に抜け出す


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
冷静にパットを打つ新垣比菜(日本ゴルフ協会提供)

 ゴルフの日本ジュニア選手権最終日は19日、埼玉県狭山市の東京ゴルフ倶楽部などで行われ、女子(6457ヤード、パー72)15~17歳の部の新垣比菜(沖縄・興南高)が通算9アンダーの135で初優勝した。

 前日の悪天候の影響で男女とも54ホール競技から36ホールに短縮された。その他の沖縄勢では同15~17歳の部の佐渡山理莉(名護高)は6位、新城莉李亜(宜野座高)は27位。12~14歳の部に出場した比嘉里緒菜(嘉数中)は23位、仲田葵(浦西中)は31位。男子(7024ヤード、パー71)15~17歳の部の富本虎希(興南高)は7位、三浦春輝(宜野座高)は97位だった。

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 将来のトップ選手への登竜門・日本ジュニアゴルフ選手権に挑んだ新垣比菜。第1ラウンドで首位と1打差の2位タイにつけつつも、パットが安定せず「いいとは言えない」(新垣)我慢のプレーが続いていた。だが、長かったスランプの影を抜け出すために積んだ努力が精神的にも新垣を大きく成長させていた。

 昨年、アマとしてはプロツアー史上初の3週連続トップ10入りするなど、活躍していた新垣だったが、今年のゴルフは持ち前の安定感を欠いていた。ドライバーが安定せず、それを意識するあまり、飛距離が伸ばせない悪循環に陥る日々。「このまま立ち直れないのではないか」との不安や焦りを打ち払うため、自身を信じて素振りと打ち込みを淡々と続けた。

 父博昭さんはスランプの際「乗り越えて必ず復活しよう。必ず日本ジュニアは優勝できる」と語り、新垣を支えていた。父の支えに応えるように新垣も6月の日本女子アマから徐々に「調子が上がっている感じ」をつかんでいったという。

 迎えた18日の第2ラウンド。パー5の13番で3メートルのパーパットを沈め、そこから持ち前のゴルフを取り戻していく。悪天候によるサスペンデッドのため、5ホールを19日に持ち越したが、19日も3連続バーディーで一気に抜け出した。博昭さんが2ラウンド目を「全て完璧」と語るように、終わってみれば2ラウンドで通算14バーディーを奪う「圧勝」だった。

 日本ジュニアは新垣にとって「中学校1年から優勝を目指していた特別な大会」。試合後、新垣は「スランプがあって落ち込んだが、メンタル的には強くなった」と充実の表情で語った。不調から復活し、一回り成長した新垣は来年に控えるプロテストを見据え、努力を積み重ねていく。
(池田哲平)