「アップル」「アイスクリーム」!? 県産バナナ【島ネタCHOSA班】


「アップル」「アイスクリーム」!? 県産バナナ【島ネタCHOSA班】 人気の高い島バナナ
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旧盆にお供えした青バナナを追熟させて食べてから、県産バナナが大好きになりました。それはアップルバナナという品種だそうです。出回っているのでしょうか。

(那覇市 バナナマン三世)

調査員は数日前、ご近所さんからバナナの天ぷらを頂いたばかりです。揚げたてバナナは甘味が引き立ち、もっちりとした食感。聞けば、農園を手掛けるいとこが青バナナを持ってきたので、少し熟させてから揚げたとか。もしかしてアップルバナナ?

すぐさまいとこの多良間恵盛さん(68)を紹介してもらいました。

農園に第二の人生設計

待ち合わせ場所は、浦添市浦西公民館前。軽トラで現れた農作業着姿の多良間さんの後を追って10分ほど西へ車を走らせると、傾斜畑の一帯にたどり着きました。

約1600坪の農園

警察官を定年退職した8年前、多良間さんは温めてきた第二の人生設計を自宅からさほど遠くないこの畑地を買い求めて具現化しています。1600坪のジャーガル土壌の畑で、「バナナ300本、コーヒー、モリンガ、ジャガイモ、シークワーサーなどを栽培している」と多良間さん。日に焼けた顔は働き者のハルサー(農家)の証しです。

出身は、宮古島の西の沖合に浮かぶ多良間村。「小さな島で、親は厳しい自然を相手に農業をしながら僕ら6人の子どもを育ててくれた」と、作物を栽培する身となり両親の苦労をしのんでいます。

農園の傾斜の高い一角にエアコンを効かせたトタン屋根の小屋を構え、親戚や仲間らとバーベキューを楽しむ憩いの場も造り出しています。

収穫前のアップルバナナと多良間恵盛さん

畑地奥の小屋から聞こえるのは、ヤギの鳴き声。「ヤギふんを有機肥料に利用するために飼ったが、餌の草刈りに毎日出勤している。孫からは『僕とヤギとどっちが大事なの』と言われる」と、苦笑いする多良間さん。ヤギは5頭から飼い始め、自身で掛け合わせて20頭に増やしたというから驚かされますが、調査員は関心の的を畑地のへりに植わった見事なバナナに向けています。

自身で交配して20頭に増やしたヤギ

甘味・酸味濃厚、県産バナナ

アップルバナナやアイスクリームバナナと呼ばれる東南アジア原産の「ブルー・ジャヴァ・バナナ」や三尺バナナ、島バナナなど、県産バナナとして人気の高い5品種を収穫する多良間さん。いわく「濃厚な甘味と酸味のバランスがよく、もちもちとした食感や香りのあるアップルバナナが一番おいしい」

20~30キロに実ったアイスクリームバナナ

収穫が台風に左右されるバナナ栽培。バナナの木は一房20~30キロの実の重さに耐えかねて倒木するほどで、暴風には大打撃を被ります。「ことしは台風がなくて、孫のおやつや親戚にあげたり出荷したりした」と多良間さん。出荷先は、会員でもある「ドルセンチおきなわファーマーズマーケット西原うんたま市場」。

ファーマーズマーケット西原 うんたま市場店長の仲宗根朝之さん

店長の仲宗根朝之さんに聞くと、「台風の影響で旧盆用バナナの棚ががら空きだった昨年に比べて、ことしは豊作で十分な入荷量」とのこと。そういえば、調査員もやんばるの妹からも県産バナナが届きました。豊作のことしは冷凍保存もよし、スムージーや天ぷらで調理するなど、県産バナナを満喫しましょう。

(2024年9月26日 週刊レキオ掲載)