琉歌大賞 おきなわ文学賞琉歌部門
2賞たたえる
【恩納】第26回琉歌大賞と第12回おきなわ文学賞琉歌部門(主催・琉歌大賞実行委員会、県文化振興会、共催・恩納村、同村商工会、琉球新報社)の表彰式が30日、同村ふれあい体験学習センターで開かれた。ことしは、第6回世界のウチナーンチュ大会開催記念として、琉歌大賞とおきなわ文学賞琉歌部門の共同企画となった。
一般の部の大賞に当たる県知事賞に伊藝峯子さん(75)=恩納村、児童生徒の部の大賞・県文化振興会理事長賞に佐久間盛矢さん(13)=恩納村立喜瀬武原中1年=が選ばれ、84人の入賞者が表彰された。今回は「浜」をテーマに一般の部170人(466首)、児童生徒の部374人(540首)の応募があった。
「恋路語らたる/故郷の白浜や/この歳なてをても/名残立ちゆさ」と詠んだ伊藝さんは大宜味村喜如嘉出身。「テレビもなかった時代によく砂浜を歩いて友と語っていた。とても大きな賞でうれしい」と受賞を喜んだ。「美ら海の浜を/満月が照らす/キラキラと光り/平和祈る」と詠んだ佐久間さんは「恩納村のきれいな海や浜を見て、村の人が健康でいられますようにと考えていた」と語った。
次回のテーマは「声」と発表された。
今年の琉歌、辺野古反対多く
審査委員長「民意を反映」
第26回琉歌大賞と第12回おきなわ文学賞琉歌部門の表彰式で、一般の部の審査を務めた仲田栄松審査委員長は「今年のテーマは『浜』だった。辺野古の浜を題材にした作品がたくさんあった」と述べた。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡る新基地建設が進む中で、辺野古を詠んだ歌が多かったことについて「民意の表れだと思う」とした。
仲田審査委員長は表彰式の審査講評で「自分の生まれ故郷の浜は忘れがたいと詠んだ歌、辺野古の浜が基地として構築されることはけしからんという歌が多かった」と説明した。その上で「世の中は変わっていく。同じテーマを与えても同じ歌にはならない。歌は感情で歌うものなので、汝(なんじ)の心を表す。辺野古の問題の歌がたくさんあったのは、この時代の民意を反映していたのではないだろうか」と述べた。