ガジュマルでワシ 知念さん、平和願い自作


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ワシの像の横に立つ知念勝盛さん(中央)=12月31日、南風原町

 【南風原】酉(とり)年の2017年を前に、沖縄戦体験者の知念勝盛さん(72)=南風原町=が12月31日、ガジュマルの木で自作したワシの像の前で平和な世界を願った。

 知念さんは赤ん坊だった1945年9月、伊江島で沖縄戦に巻き込まれた。知念さんを背負って水くみに出掛けた母親を米軍が銃撃し、左手を負傷した。小指は成長が止まったため、後に手術で切除した。

 知念さんは、十数年前に県営団地のフェンスの外に生えていたガジュマルを庭に植え替え、形を整えて目玉を付け、羽を広げるワシを形作った。酉年の17年に向けて、遊びに来た孫の城間璃子さん(8)、マローン・キアラさん(11)や隣近所に住む宮國杏那さん(14)とともに「家族全員の健康と世界の平和を願いたい。全ての人が、平和という軸を心に置いてほしい」と願った。