「新大統領の下、変化を」 翁長知事が米で講演 新基地見直し期待


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 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】訪米中の翁長雄志知事は2日、米ジョージ・ワシントン大学で開かれた県主催の公開セミナーで講演し、米軍普天間飛行場の移設先とされる名護市辺野古の新基地建設について「行政としてできる限りの権能を使って新辺野古基地を造らせない」と述べ、知事権限を駆使し建設を阻止する考えを改めて示し、参加者に協力を訴えた。トランプ新政権が計画を見直すことに期待した。

 「沖縄の将来と東アジア」と題したセミナーには、研究者や学生ら計約120人が参加。翁長知事は戦後の在沖米軍基地の成り立ちを説明した上で、「沖縄の全ての基地は強制接収された。自ら奪っておいて、普天間飛行場が老朽化したから(辺野古の)土地をよこせというのは何なのか」と述べ、米側の姿勢を批判した。

 米軍の事故や犯罪が絶えない現状についても「『基地に反対するのは世界の平和のためにどうか』という悠長な考え方を沖縄にだけ押しつけてはいけない」と強調した。

 また「今日まで何の変化もないまま沖縄の基地が維持されてきた。変化が予測されるトランプ大統領の下で、ぜひともいい方向に変化があってほしい」とも述べ、辺野古移設計画の見直しに期待感を示した。

 セミナーでは元沖縄国際大学長で経済学者の富川盛武県政策参与も「脱米軍基地依存の展望」と題して講演。「アジア経済の成長により、沖縄経済に千載一遇のチャンスが訪れている。潜在可能性が拡大した沖縄にとって米軍基地は発展の阻害要因だ」と強調した。

 翁長知事は同日、軍事委員会や歳出委員会に所属する与党共和党の下院議員4人と相次いで面談し、辺野古移設計画を見直すよう求めた。翁長知事は3日午後(日本時間4日午前)、国務省でヤング日本部長と面談するほか、ナショナルプレスクラブで記者会見する。