【中部・北部】10日の安倍晋三首相とトランプ米大統領の首脳会談で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設について「唯一の解決策」と共同声明に盛り込んだことを受け、移設に反対する市民らから「思考が硬直している」「やっぱり辺野古にこだわっている。初めから期待していない」など批判の声が上がった。一方「(移設方針が)ぶれていない」と肯定的な意見もあった。
ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表(70)は「オバマ政権でも『辺野古が唯一』だったので驚かない」と淡々と語った。その上で「知事や名護市長を支え、粘り強く国際社会に訴えていくことが大事だ」と決意を新たにした。
ヘリ基地いらない二見以北十区の会の浦島悦子共同代表(69)は「同じことしか言っていない。思考回路が硬直している」と指摘。「トランプ氏に反対する米国民は多い。そういう人たちと協力しながら、沖縄の思いを伝えることが大切だ」と話した。
大浦湾でカヌーに乗って抗議を続ける間島孝彦さん(63)=名護市=は、安倍首相が5年以内の運用停止について米側に協力を求めなかったことに「辺野古を造って普天間も閉鎖せず、両方運用するのではないか」と不安げに話した。
普天間居場所づくりプロジェクトの発起人・赤嶺和伸さん(62)=宜野湾市=は「トランプ氏は日本に駐留費の負担をさらに求めたのではないか」と分析。「5年以内の運用停止」について「期限が迫るのに『補修工事』名目で車両が出入りしている。仮に辺野古ができても普天間も使い続ける魂胆ではないか」と語った。
一方、普天間門前まちづくり期成会の柏田吉美理事長(83)=宜野湾市=は「トランプ氏は過去の経緯も踏まえてぶれないと思っていたが、今回証明された。辺野古移設がさらに現実的になるだろう」と評価した。