「普天間は県外に」 翁長知事、外相に要請


この記事を書いた人 志良堂 仁
岸田文雄外務大臣(左)に普天間飛行場の県外移設と5年以内の運用停止など12点を求める要望書を手渡す翁長雄志知事=26日午前、県庁

 岸田文雄外相は26日、沖縄県庁で翁長雄志知事と会談した。翁長知事は岸田氏に対し、米軍普天間飛行場の県外移設と5年以内の運用停止、日米地位協定の抜本的改定、尖閣問題の解決など12項目を求める要望書を提出した。岸田氏は「沖縄の負担軽減は大変重要だ」と述べるにとどめ、普天間飛行場の名護市辺野古移設や5年以内の運用停止に関する言及は避けた。一方、岸田氏は会談後、記者団に「抑止力を維持し、普天間の危険性を一刻も早く除去するためには、これ(辺野古)が唯一の解決策というのが政府の立場だ。知事にも再三説明している」と述べ、辺野古移設を進める方針を重ねて強調した。

 会談で翁長知事は「日米両政府が辺野古移設に固執すれば、今後の日米安保体制に大きな禍根を残す」とくぎを刺した。

 会談後の取材に応じた翁長知事によると、岸田氏は地位協定の改定に対しては「協定は膨大な法体系なので、改正しようと思うと何年もかかる。運用改善などで対応し、個別問題で現実的な対応を取ってきたというのが政府の考えだ」と否定的な見解を示した。その上で、昨年の米軍属女性暴行殺人事件を受け、日米両政府が地位協定の対象となる軍属の範囲を明確化したと説明し、沖縄の負担軽減に努めているとして県の理解を求めた。

 岸田氏は同日、那覇市内のホテルでニコルソン在沖米四軍調整官と会談し、県内11市のうち保守系の9市長と朝食懇談会も開いた。

 県内の観光関係者らとも意見交換した。26日午後に帰任した。