2015年度に沖縄県内の米軍基地から排出された一般廃棄物は2万6332トンで、前年度比11・4%増だったことが分かった。10年度以降、初めて2万6千トン台を突破し、過去5年で最多となった。
米軍は年度別のごみ排出量を公表していないため、県が事業者などへの聞き取りを基にまとめた。15年度の一般廃棄物のうちリサイクルされたのが6500トン(24・7%)、焼却や埋め立て処分されたのが1万9832トンだった。
米軍は11年6月末を最後に在沖の米軍人・軍属・家族の人数を公表していないため、1人当たりの排出量は不明。同年の統計では米軍人、軍属、家族は計約4万7300人。年度が違うため単純比較はできないが、仮にこの人数で15年度の一般廃棄物の1人1日当たりの排出量を計算すると1525グラムとなり、県民の844グラム(14年度)の1・8倍となる。
県内では市町村ごとにごみの分別方法などが定められているが、基地内は日米地位協定第3条の排他的管理権により、日本の法律や条例が適用されない。米国防総省は海外駐留の全米軍施設に対し、独自の環境管理プログラムを設置し環境へ配慮するよう義務付けているが、数値の推移から同プログラムが機能していないことが分かる。
米軍のごみを受け入れている県内の廃棄物処理業者は「契約上、詳細は一切公表できない」とするも「基地からのごみはほぼ分別されておらず、施設内で仕分けている」と実情を明らかにした。県環境部の担当者は県内の最終処分場の容量は逼迫(ひっぱく)状態にあり、「米国の責任で廃棄物焼却施設などを整備するよう引き続き求めたい」と話している。