友奪った戦争語る ピースウオークに40人 首里


この記事を書いた人 志良堂 仁
那覇市首里の沖縄戦を知るピースウオーキングで戦争への思いを語る岸本政一さん(右から2人目)=20日、那覇市の一中健児之塔

 戦跡を歩く「沖縄戦を知るピースウオーキング」(同実行委員会主催)が20日、那覇市首里で開かれた。約40人が首里中学校を出発し、県立第一中の学徒らの慰霊碑「一中健児之塔」までの約5キロを歩いた。沖縄師範学校跡地や首里城地下に広がる第32軍司令部壕を巡り沖縄戦を学んだ。

 首里金城町出身の吉嶺全一さん(84)は、第32軍司令部壕の入り口や首里城周辺で小学6年の時に見た様子を説明した。「首里城がいきなり兵舎に変わった。小学校を追い出されて外で勉強しているとパパパパパと爆弾が飛んできて、みんなけがをして逃げていった」と振り返った。

 一中健児之塔では、当時一中3年生だった岸本政一さん(87)が「戦争は、大事なものをなくしてしまう。あの時のことを話すのは、楽しいことではない」と語り、悲惨な戦争で命を落とした同級生らに思いをはせた。

 初めて参加した糸満市の門野隆幸さん(56)は「首里城の地下に壕があることも知らなかったので勉強になった。これからも参加したい。知り合いが沖縄に来たときには案内したい」と感想を述べた。