【辺野古問題取材班】翁長雄志知事は25日午前、名護市辺野古の新基地建設で辺野古沖の埋め立て承認の撤回について「撤回を力強く、必ずやる」と明言した。米軍キャンプ・シュワブのゲート前集会で明らかにした。従来「撤回」について翁長知事は「常に視野に入っている」などと述べていたが、この日の発言で「必ずやる」と踏み込んだ。撤回の時期については言及しなかった。【琉球新報電子版】
翁長雄志知事あいさつ全文
(「違法な埋め立て工事の即時中止・辺野古新基地建設断念を求める県民集会」)
はいさーい ぐすーよー ちゅーうがなびら。県知事ぬ 翁長雄志やん ゆたさるぐとぅ うにげーさびら。
今日はこのように新辺野古基地を絶対に造らせない、こういう決意でもって、今、司会者の発表で3500人を超えたという話があった。皆さん方の沖縄を思う気持ち、子や孫を思う気持ち、うやふぁーうじを慕う気持ち、こういう沖縄県民の誇りが、私たちは絶対にこの辺野古に新基地を造らせない、この思いでここに結集しているんだろうと思っている。大変心強く、心から感謝申し上げる。いっぺー にへーでーびる。
私は今年に入ってから、新しい1ページ、新しいページに入っていく、この辺野古新基地の阻止の闘争は、あるいは行政、いろんな形でやっていくものは、新しいステージを迎える、こういうような話をさせてもらった。
今日、山城博治さんの姿も拝見されたようだ。今日を期しての、これからの沖縄の新しい、また闘いがこれから始まるんだなという意味で私もこのように参加させてもらった。まじゅん さらに ちばらなやーさい。なまからどぅ やいびんどー。
今の新辺野古基地の状況を見ると、古い人間なのかなと思うが、あの米軍占領下を思い出す。あの銃剣とブルドーザーで、家・屋敷をたたき壊して新しい基地を造って、そして県民の住む場所を奪いながら、今日までやってきた。そういったことを思い出して、今、新辺野古基地でやっている、国の新辺野古基地を埋め立てるやり方は、私から見ると、あの占領下の銃剣とブルドーザーとまったく同じ手法でもってあの美しい大浦湾を埋めようとしているんだなというふうに強く感じているところだ。
だから昨日、共同通信の主催によって47都道府県の地元紙の編集委員長、おそろいの中に1時間講演してきた。たくさん話してきたのでここで紹介できないが簡単にいうと、米軍基地は沖縄経済発展の最大の阻害要因だと。本土の人からよく言われる「あなた方は基地で食べてるんでしょう、振興策をもらっているんでしょ、だから基地を預かるのは当たり前じゃないか」と。こういう話をするところがあったので、これはしっかり数字も挙げて話をさせてもらった。そういう中に一つ一つエピソードをいれて、全国の人がわかりやすいように話をした。
抑止力のために、あの(菅義偉)官房長官の古里である秋田県の十和田湖を埋めますか? 宮城県の松島湾を埋めますか? 琵琶湖を埋めますか? こんなことが沖縄県にあっていいのか、他の都道府県でそんなことを許すのか。こういうようなものの沖縄県との差を、私は話をさせてもらった。
ほかにもありますよ。本州と四国を結ぶ橋、あれ3本くらい架かっていると思うが、1本1兆円、九州の新幹線も1兆円、そして今しっかり稼働している、いいことだ。ところが沖縄県の那覇空港の平行滑走路に関しては、沖縄県が基地を預かっているから特別に造ってあげてるんだという話をする人がいる。私は、四国の人も九州の人も米軍基地を預かっているから橋を架けるのか、あるいは新幹線を走らせるのかと、こういうような話はやめてもらいたいというのも、その中で話をさせてもらった。
そういう具体的に話をする中で、本土の方々からも辺野古基金にはたくさんの基金が寄せられている。今世論調査では五分五分ぐらいで1ポイント、新辺野古基地を造らせないということの方が多い状況だ。
あのネトウヨとか言われるものは恐ろしいほどの話が飛び交っていて、私の娘2人は、1人は中国の外交官と結婚している、1人は中国に留学しているというんです。うちの娘2人は旅行であれなんであれ、中国に行ったことは一度もない。そういったことがずーっと流れている。こういったことを言いながら、翁長知事は中国のスパイだ、だからオスプレイ反対するんだ、新辺野古基地を反対するんだと、こういう簡単な論理で皆簡単に凝り固まって、沖縄の歴史も顧みずにこのような形でやっている。
だから私たちは、私たちの心を一つにして、いろんな思いがあると思う。保守革新を乗り越えるということだけでも大変だ。それからそれぞれの政党会派もしっかりとした立派なものを持っている、しかし、子や孫のために、うやふぁーうじから培ってきた沖縄の歴史・伝統・文化、そういったものをいかにして発揮していくか、このためにわれわれは包容力をもって心を一つにして、新辺野古基地は絶対に造らせないということをやっていきたい。
先ほど来、私は実は原稿を準備してきたが、用意してきた原稿、皆がお話ししたので、それとは別の話をしている。ほんとに今日は私自身も「みみぐすい」というか、先生方の話を聞きながら、そして皆さん方の熱意ある表情などをお見かけしながら、改めて頑張る決意を固めている。
国は、岩礁破砕、3月31日までに許可を得なきゃいかんのだけれども許可を得ないと。今まで水産庁も、政府も、漁業権はあるということでもってやってきた。それを今回、全く違う形で、1、2カ月前にひっくり返して、これはこれでいいんだと押し切ろうとしている。
そういったことがいくつもあるが、そういったものを全部、ある意味、「法治国家」と誰かさんはしょっちゅうインタビューで「日本は法治国家だ。日本は法治国家だ」と言うんだが、私は放って置く「放置国家」、沖縄県はまさしく「放置国家」に戦後70年間もあったのではないか。これを拾うことなくして、日本を取り戻すなどというほんとにとんでもない話をするのはやめてくださいという気持ちだ。
政治は変わってくる、世界情勢も変わってきている。そして日本もテレビニュースを見ていると、どうやら変わりつつある。液状化してきている。いつまでも同じものがずーっと続くわけはない。早くて10年、遅かったら20年絶対できないということは、100%またお互いの力でできることになる。それをこれから1兆円もかけて造り上げようとする。そういう国際情勢の大きな流れ、米国が中国が手を結ぶかもしれない、ロシアと中国が手を結ぶかもしれない、こういったこともある中に、ここだけは「辺野古唯一」ということで全く価値観を変えることなしに、せっせせっせとやる。私はこれでは日本が一流の民主主義国家にはならない。沖縄の新辺野古基地を止めることによって、日本の民主主義絵を、そして沖縄県民の自由・平等・人権を勝ち取っていく、そういうことでなければならないと思う。
最後になるが、岩礁破砕の許可が、何にも無視をして通り過ぎていこうとしている。いろんな申請があるんです、ほんとは。それを通り過ぎようとしているものが、私の胸の中に一つ一つ貯金として入っているので、この貯金を基に私はあらゆる手法をもって、撤回を力強く、必ずやります。その中でお互いの思いを、日本国民にも世界にも話をして、そしてお互いの地方自治、県民の一人一人の安心安全、皆で守っていこう。
ちばらなやーさい。なまからどぅ やいびんどー。なまからどぅ やいびんどー。にへーでーびる。