【座間味】1945年3月26日、沖縄戦当時に座間味村内で起こった、「集団自決」(強制集団死)から72年となる26日、同村では村民らが平和之塔を訪れ、手を合わせた。慰霊祭は開かれず自由参拝となったが、村民らは恒久平和や悲惨な戦争を繰り返さないことを誓った。
米軍は72年前の3月26日、座間味村に上陸し沖縄戦の地上戦が始まった。父のきょうだいを「集団自決」で失った中村旭一さん(61)は「慰霊の日と3月26日は毎年ここで手を合わせている。恒久平和を守り、子どもたちの代へ残したい」と思いを語った。
宮里幸正さん(80)は戦時中、座間味島の山中の壕に隠れ生き延びたが、家族を食糧難などで失った。「今ある平和は犠牲の上に成り立っている。永久に平和な世の中になってほしい」と力を込めた。
宮里哲村長は「観光客が多く訪れるようになった座間味村だが、常連客でも沖縄戦について知らない人も多い。平和の発信は村の使命だ。村内の慰霊塔などを整備したり、パンフレットを作ったりして参拝しやすいようにしたい」と語った。
村主催の慰霊祭は5年に1度開催しており、次回は2020年に行われる予定。