菅氏発言に沖縄「恫喝だ」 知事に賠償請求、法解釈に疑問 


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新基地建設に反対する集会後、記者団の質問に答える翁長雄志沖縄県知事(中央)=25日、名護市辺野古

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡り、沖縄県の翁長雄志知事に対する損害賠償請求に言及した菅義偉官房長官の発言に対し、県内では「恫喝(どうかつ)だ」との批判が上がった。行政行為によって生じた損害の賠償請求について定めた国家賠償法の手続きでは、個人に直接請求できる仕組みはなく、菅官房長官の法解釈に疑問の声も噴出。米軍基地反対運動に携わる市民団体の代表らは「非常識で、焦りがうかがえる」と指摘し、翁長知事の埋め立て承認撤回を支持した。

 ヘリ基地反対協の安次富浩共同代表(70)は「経済的な恫喝だ。この発言に集約されているように『何でもあり』というのが安倍政権の本質だ」と語る。「県民の民意にそぐわない新基地建設を進めて来たのは政府の方だ。それを翁長知事に責任転嫁するつもりなのか」と指摘した。

 平和市民連絡会の北上田毅さんは「官房長官の言葉とは思えないほど、非常識で恥ずかしい発言だ」と強調。「これだけの発言をしないと沖縄を抑え付けられない、とする菅官房長官の焦りがうかがえる。県民の民意に基づいて翁長知事は『埋め立て承認の撤回』を明言した。ぜひとも踏み切ってほしい」と話した。

 元裁判官でうるま市具志川九条の会共同代表の仲宗根勇さん(76)は「重大な過失や故意がないと個人に対する賠償は認められない。3月いっぱいで岩礁破砕の許可が切れるが、漁業権の解釈を無理やり変え、違法な工事を強行しようとしているのは国の方だ」と指摘した。

 一方で「埋め立て承認の取り消しを取り消した後、今ごろになって撤回となると、見方によっては職権の乱用と捉えられかねない。付け入る隙を与えた取り消しの取り消しはすべきではなかった」と話した。